• ポニーキャニオンの小林と申します。どうぞよろしくお願いします。本日は、「スマホロ」にお時間をいただきまして、ありがとうございます。ポニーキャニオンという会社は、フジ・メディア・ホールディングスの映像・音楽をやっております会社でございます。

  • CD、DVDなどのメディアのマーケットは、ご存じだと思うんですけども、どんどん、毎年減少してきておりまして、この10年ぐらいの間に、たぶん半分くらいになっちゃったんじゃないかなと思うんですが。理由としては、いろいろあるんですけども、パッケージを離れて、ほかのことに時間が取られてるということだと思うんですけれども。

  • 今、IT開発部という井上がやっておりますところは、もちろん開発部といっても、ハードを作るようなところではなくて、ソフトを売るために、どうしたらいいのか、入れ物などを考えていく、開発していくというセクションでございます。フォーマット化というのがありまして、先ほどのSONOCAのお話もそうだったんですけど、何かの形にしないと、ものを作る人がそこにコンテンツを投入できないと思いまして。

  • ディレクターが、そういうサービスおもしろそうだね、だけど、それをやるには、どうしたらいいの?どういうものを、いつ、どういうふうに入れたら、いくらかかるの?みたいな感じのことが分からないと...。CD、DVDというのは、もちろんフォーマット化されているので、こういうデータをいつまでに入れると、どういうものができるということが、ある程度分かっているので、フォーマット化するということをやりながら、IT開発部では、宣伝用の、もちろんそういうものも作りますけど、商品というものも開発していこうということで、いろんなチャレンジをしております。

  • 加えて、昨今では、体験型というものが非常に世の中ではもてはやされています。ということもありまして、VR/ARに、2年前に参画いたしました。

  • そのときは、今もやってるんですけど、ハコスコという...先ほどのGoogleのカードボードの話もありましたけど、段ボール製の箱にスマートフォンをセットして手軽にVR360°映像を楽しめるというようなものなんですが。そういったものに、どうやって売ろうかということで。ただ単純に、ハコスコを売るということだけでは、なかなかおもしろくないというのか、コンテンツも売るにはどうしたらいいのか。

  • ハコスコだけを買ってもらって、コンテンツをダウンロードしてもらうのも、なかなか難しいなってことで、ハコスコを買ったときに、先ほどの話にもありましたが、番号がついていて、そのハコスコを買った人が、それにくっついてるコンテンツを一緒に買えるというスタイルのもので、いくつかの前例を作りました。

  • そうこうしているうちに、ここにいる井上さんが、「スマホロ」というのを...このプラスチックの板を何重かにして作るとおもしろいよというのを提案してきたんです。そのときは、アイデアとしてはおもしろいなと思ったんですけども、じゃあ、どれだけの感じになるのかなっていうところで、VR/ARの中でいうと、少し変化球に近いかなと思いましたので。おもしろいんですけど、初音ミクぐらいのキラーコンテンツが許諾されたらチャレンジしてみようよって言ってたら、本当にクリプトンさんにお願いをして、許諾をいただいたというところで、じゃあやってみましょうとなりました。

  • そういう流れがありまして、「スマホロ」にチャレンジしたわけですが、今の時代のVR/ARというようなところからは少し外れてはいるんですけど、非常におもしろい特性を持っていると思いますので、この説明を聞いていただければと思います。ここからは井上に説明を渡します。

  • 今、ご紹介を受けましたポニーキャニオン・井上と申します。よろしくお願いします。私も、すいませんが失礼して、着席でご説明させていただければと思います。今回はペッパーズゴーストを使った立体3層動画ビューワ「スマホロ」をご紹介させていただきます。

  • 初めにですが、うちのVRの商品をいろんな人にお話しするときに思うことなんですが、実際に体験してもらわないと、よさが伝わらないというところが、一番難しいとこだなと思っておりまして。きょうも口頭で、こういう資料を使いながらご説明しても、なかなか「スマホロ」というのが、どういう商品か分かってもらいづらいというのがありまして、それで、きょうは皆さんに実際のものをお配りしているんですが。

  • これでどういうふうに見えるのかっていうのを、見ていただけるのが一番早いのかなと思いますが、実際の動画をダウンロードしていただくのに多少時間がかかるもので、もしよろしければ、最初に、裏にQRコードがついていまして、ここからアプリをダウンロードできます。

  • アプリの画面の中で、実際のチャンネルの中のダウンロードっていうボタンを押していただくとダウンロードが始まるんですが、ここが一番時間のかかるところなので、もし早めに見たいなという方がいらっしゃいましたら、先にダウンロードだけしておいていただきますと、たぶん話が終わるころにはダウンロードできてるかなと思いますので、それで、そのご案内だけ先にさせていただければと思います。

  • では続いて、お話に入りますが、まず簡単に自己紹介させていただきます。井上制と言います。ポニーキャニオンのIT開発部というところに所属しておりまして、大阪生まれの大阪育ちです。ただ、会社入るまで、ずっと大阪弁しか、しゃべったことなかったんですが、仙台に赴任してるときに、関西出身が非常に評判が悪かったときがありまして。

  • こっちの人は、みんな素朴な人ばっかりなんで、えげつない商売されたら困りますみたいな感じで言われまして、そのころに一生懸命NHKを見て、標準語もどきみたいなのを覚えまして。それ以来、えせ東京人のふりをさせていただいてますので、最近はあまり、ぱっと見では分からなくなるところまできたかなと。

  • 最初のころは、当然、営業とか、宣伝とか、販促とかやってたんですが、94〜95年ごろに、先ほどの小林にそそのかされまして、インターネットをやってみないかという感じで、会社のホームページを立ち上げるのを手伝わされまして、その辺りから非常にギークな道に、ずぶずぶとハマっていくという感じになりました。

  • そのあと、2000年前後に音楽配信ですね。ソニーさんのbitmusicをはじめとして、各社音楽配信というのがスタートしまして。

  • そういうものをやり始め、2001〜2002年ごろからiモードのiモードサイト、auのEZweb、最初はJ−PHONEでJ−スカイをやり始めたら、ボーダフォンになり、ソフトバンクになりみたいな感じでやってたり。

  • そのあと、着うたが出てまいりました。着うたは、結構われわれも、いい思いをさせていただいて、いろんな展開をさせていただいたんですが。そうこうしてると、黒船がやってまいりました。iTunesさんですね。かなり強引な理屈をぶつけられまして、それに四苦八苦しながら、対応しているうちに、だんだん着うたが、しぼんでいくみたいな苦しい時代も通り過ぎまして、ちょっとアプリを作ってみたり。

  • あと、YouTube、Ustream、ニコ生みたいな動画系に取り組んでみたり、ツイッター、フェイスブック、SNSの仕事をしてみたり。そのあと、グリー、モバゲーとか書いていますが、ソーシャルゲームに手を出しちゃったんですね。これが完全に黒歴史でして、大やけどをしまして、あっという間に撤退させていただきましたというような感じで。

  • で、さっき小林から話があったように、そのあと、VR/AR系、おもしろいんじゃないかということで、ハコスコさんと組ませていただいて、いろいろやったり、Oculus Riftを自分で買ってみて、いろいろチャレンジしてみたり。ことしはプレステVRも出るということで、いろんなハードウェアがそろってくるということなので、そういう分野にいろいろチャレンジをしているところですが、その中のちょっと亜流いう形で、今回の「スマホロ」みたいなものをやらせていただいています。

  • 「スマホロ」で使っているペッパーズゴーストとは?ということで、ご存じの方も多いかと思うんですが、一応、簡単にご説明させていただきますと、古くから、舞台の特殊効果として使われているもので、この図の緑の線のところに透明なガラスがありまして、赤い部分だけがお客さんに見えていると。そこに照明を当てることで、実際に今までいなかったところに幽霊が現れるみたいな合成の技術となっております。

  • これは、非常に古くからの手法で行われてきたもので、全然目新しいものではないんですが、昨今、普及してきたスマホに、それをうまく応用できたら、おもしろいんじゃないかというところで。きっかけは、バンダイさんのハコビジョン。これも皆さん、よくご存じだと思うんですけど、これを見ておもしろいなと思って、自分で買って、いろいろ見てみました。そしたら、すぐバンダイさんもクリプトンさんに行かれて、初音ミクの商品も出されていたので、箱買いさせていただいて、いろいろ勉強しました。こういう商品って、ほかにも...スマートトイというのは、ソフトバンクさんが発売されたものですが、iPadを使って、魚が泳いでいるようなものを作れるような、おもちゃもあったりしました。

  • こういったものを見てるうちに、だんだん、映像が1枚だけだったら、もったいないんじゃないかなというふうに思うようになりまして。動画2枚あったら、おもしろいんじゃないかと考えて、最初こんなものを作ってみました。そしたら、意外とおもしろいなっていう感じになりまして、ちょっと人に見せたりし始めたんですが。そしたら、これもっと増やせるんじゃないの?という話になりまして、3枚あったら、もっといいんじゃないのみたいな。

  • 画角も、大体ビデオって横長の16:9なので、3枚にすると、ちょうど16:9ぐらいになるじゃん!みたいな話で、そういうものを作ってみたところ、これ、なかなかいいなという話になりまして。これ作ってみようよということで、一番最初の試作品、ちょっとしょぼいですね。本当に段ボールにプラ板を3枚セットしただけのものを作りました。

  • ちょっとスマホに載っけてみると、なかなかいい感じに立体に見える。でも、ただ載っけているだけなので安定しないなと。もうちょっと、なんとかなんないの?と言われまして、工夫してみました。ふたみたいなものをくっつけて、ふたを取ったところにスマホを載っけて、上から被せて留めると、安定するじゃないですかと。

  • このふたに、ちょっと仕掛けがございまして、ベロを出して、下にセットすると足になって、そこにもう一回スマホをセットすると、机に置いたままでも見れる。これ、なかなかいいんじゃないかと、自分の中では大ヒットな気がして、意気揚々と小林に見せに行きましたら、却下と言われまして、え...みたいな感じだったんですけども。

  • いろいろ問題点がありまして、やっぱりプラ板なので、暗い。それから、色みもちょっとおかしい感じなんですね。映像も反転してますし、箱が付いてると、大きなスマホで入らないものが出てくるというので、なんとかなんないの?みたいな話になって、暗いっていうところは、プラ板やめて、ハーフミラーを使ったらどうかと。

  • 映像が反転してるのも、もう1枚ミラーを入れて、潜望鏡を当ててみたらどうでしょうみたいな。大きなスマホに対応できないのは、これは思い切って元に戻って、ケースを諦めてバンドで留めちゃえと。それで、ゴムバンド付いてるんですけど。そういう形で作り直してみました。これが改良版の試作機だったんですけども。そうすると、こんなことやってる最中に、スタッフが、とあるものを見つけてきました。

  • Palm Top Theaterという商品があったんですね。なんだこりゃ!と驚きまして。ここに現物があるんですが。こういう感じで中にミラーが仕込まれてまして、折りたたみ式で中にiPhoneを入れて、ぱかっとはめると、同じような形で3層の映像が見れるというものが、すでに私がこんなことをやってる4年も前に商品化されて、特許も取得済みと。あちゃ〜という感じになりまして、その日は非常に落ち込みまして、きょう帰っていいですかみたいな感じで。

  • ちょっと、この仕事辞めようかなみたいな感じも思ったりしたんですが、そんなことを言ってても、しょうがないので、気を取り直して、ライセンス交渉に行こうと、これを作ってる会社さんに行って、じか談判を始めました。そうすると、なんとか折り合いがついて、じゃあ一緒にやりましょうみたいな形で、商品化ができるという、めどがついたという感じです。

  • 実際の「スマホロ」が発売できることになったんですが、商品の特徴として、簡単にスマホで立体動画が見られる商品。従来の3Dという視差を使ったものは、いっぱいあったんですが、よく目が疲れるとか、3D酔いするという話がありました。でも、この場合は単純に奥行きがある状態で動画が再生されるだけなので、3D酔いがないというのが特徴になっています。原理と構造は、先ほどのところでも出てたので、お分かりのとおりですが、ハーフミラー2枚とフルミラー2枚で3層の立体動画を構成しているという仕掛けになっています。ここで簡単にプロモーションビデオをご覧いただければと思います。(映像を見ています)

  • ありがとうございました。このような感じで、今の映像の中にもありましたが、どんなものが適しているかという意味では、今回、商品化させていただきました、初音ミク、ボカロといったCGのキャラクターを使った映像というのは、当然ばっちりハマりますし、今見ていただいたような実写のアーティストのものでも、クロマキーを使って撮影することで可能です。

  • また、花火のような夜空に光り輝く光のプレジデントみたいなコンテンツも、当然向いておりますし、水族館で皆さんが癒やされているクラゲのようなコンテンツの浮遊感というのも、非常に適切に表現できるような商品となっております。

  • 利用イメージとしては、キャラクターグッズとして、今回の初音ミクさんの商品のように、商品自体にいろんな装飾をして、リリースすることもできますし、特典というような形で、CDやDVDなんかに付けるというようなこともできます。また、プロモーションツールとして、無料で配って、おまけとして楽しんでもらうという形も考えております。

  • パッケージの中身なんですが、皆さんには組み立て済みのものを配ったので、ちょっとイメージしにくいかもしれないんですが、実際に商品は、このような形態で販売しております。この中に、ここにあるようなコア部分と、外側のスリーブ部分、それから、ミラーといった部分と、取扱説明書がセットになってまして、ユーザーさんが組み立てていただくと。初めての方でも、5分もあれば簡単に組み立てられるという仕様になっております。のりも一切不要という形になっております。

  • このような形で実際の商品になっていると。

  • 展開例で、昨年、クリプトンさんには大変お世話になりまして、「マジカルミライ2015」でブースを出させていただきまして。そこで、横に黒いモノリスのようなものがあるんですが、37インチのテレビを使って、巨大な「スマホロ」を作って展開するというようなことも試みとしてやってみました。

  • そのあと、渋谷に出来たHMV&BOOKS TOKYOさんでも、それをそのまま使った展開をさせていただいたりもしました。ここは仕様で細かいことを書いているので、こういう形になってますよということで、飛ばさせていただいて。

  • そのあと、動画投稿コンテストというのを実施しまして、日本工学院さんですとか、アミューズメントメディア総合学院さんといった、動画とかが得意な学生さんがいっぱいいらっしゃるところにお話をして、コンテストを実施しました。

  • 自分でこういう立体動画を作ってみませんか?と募集させていただいたところ、これは日本工学院の学生さんですけども、「猟奇的なサーカス団」という、おもしろいコンテンツを作っていただいたり。「ritm」というのは、アミューズメントメディア総合学院さんの方ですが、ゲームの紹介ビデオっぽい、スリルやサスペンス感のある動画を作っていただいたり。「サボテン」っていうのは、なぜかサボテンがやたらと踊りまくるという能天気な感じのビデオを作っていただいたりして、おもしろい、草の根での盛り上がりもできたかなと。

  • ちょこちょこ、いろんな展開をしている中で、先週、NTTさんのやってらっしゃる「R&Dフォーラム」というNTTの最新技術を展示する展示会にお邪魔したところ、NTTさんが、スマートフォンで手軽に空中像を楽しめますという発表をされてました。

  • これ、どっかで聞いたことあるなと思って、いろいろ中身を確認していましたら、こういうものが配布されてました。

  • これ、若干構造は、われわれのものとは違って、V字形にミラーが入って、こことここがフルミラーで、ここだけはプラ板という構成になってまして、ちょっと複雑な反射のしかたをするんですが、でも、2層のペッパーズゴーストを利用した、空中映像を使う商品というような形で発表されていました。これを見て、僕らのやっている方向性っていうのは間違ってないなと。NTTさんも、こういうことを考えるんだと。

  • それ以外にも、われわれはVRC、VRコンソーシアムという団体に入ってるんですが、昨年のVRCカンファレンスで、杉原良平さんという方が、スマートフォン用光学シースルービュワーという手作りで展示されていまして。

  • これは、ここのところが、やっぱりハーフミラーになってまして、まさに、これを見ながら、手のひらの上にミクさんが降臨するみたいな形のものが見られるというようなものもやられてました。

  • こういうものを見るにつけ、これから、この分野が一層盛り上がることは間違いないなという思いを深くしたというところです。なので、ぜひこの分野にご注目いただいて、われわれ「スマホロ」というのを今自社で作ったりもしていますが、もし、ご興味をお持ちの会社さんがいらっしゃいましたら、いろいろご相談にのって、商品にしたいというお手伝いをさせていただくのも、全然やぶさかではございませんので、そういうお話があれば、ぜひお声掛けいただきたいなと思っています。

  • すいません、私からは以上となります。ご清聴ありがとうございました。