• メディア・イノベーションの講座の1つということで、カンヌライオンズというのがあるんですけど、国際的な広告の国際賞であり、セミナーなんですけども、セミナーもたくさん行われるんですが、そこにですね、僕は、今年で13回目かな。今年も行ってきたので、その報告を中心に、じゃあ、今、広告コミュニケーションの世界でイノベーションといわれるようなことがたくさん起きているので、それがどんなことが起きているかというのを、ご紹介していこうと思います。

  • ちょっとね、最後のほう、湯淺先生のお話も聞いて、AIに、よく記事にも出ていますよね。AIに多くの職業がとられるんじゃないかっていう話。僕はもともとコピーライターで、クリエイティブ部門にずっといたせいもあるかもしれないんですけども、大丈夫です。AIに職業はとられません。多分。ある働き方をしていれば大丈夫です。

  • 例えば、さっきの「The Next Rembrandt」という、300年前の画家の300枚の絵を分析してやったのも、非常に注目を浴びて、カンヌでもたくさん受賞したんですけど、あれは、ああいうことをやろうというのはAIは考えませんから。つまり、あくまでツールですから、AIは。

  • カメラを撮れるとか、文章が書けるとか絵が描けると同じなので、使いこなせばいいだけです。自分は使えなくても、その専門家に発注というか、お願いができればいい。なので、次のレンブラントの絵を描いてみようと思うことをやればいいと思うんですね。皆さんは。僕も。

  • あるいは、もっと広告的に言うと、あれはINGという世界最大級の銀行がやっているんですけれども、金融機関が。なぜ金融機関がああいうことをやったかというと、そのINGというところは、金融業界におけるITイノベーションみたいなのを標榜しているらしく、世界で最もイノベーティブな、あるいはデータに強い銀行だということが伝えたくて、オランダベースの銀行なんですね。なので、自分のところの超有名な画家であるレンブラントを活用して、ああいうことをやったと。

  • で、INGという銀行と、レンブラントにああいうデータの分析を通じて、次の1枚を描いてみることで、INGの価値が上がりますよという企画をするのは、これはAIにはできないです。多分、100年できないんじゃないかなと思います。だから多分、皆さんが生きているうち、そっち方向に行けば大丈夫です、きっと。大本を企画するというか。と思います。

  • ちょっとね、多分ですね、別に学生さんに限らず、いろんなところで、AIに仕事がとられるんじゃないかみたいな記事もたくさん出ているので、一種あれって、悪くいえば脅しにもなりかねないので、ちょっとそういうふうに盛り上げてみました。僕はそういうふうに信じています。僕、全然心配してないです。高3の息子とかいますけど、全然心配してない。と思います。

  • それから、ここの前の電気って消してもらって...。消えてるのか。じゃあ、この状況で続けていきます。まずですね、メディア・イノベーションの授業ということで、ちょっと前段、カンヌ2016の話をする前に、ちょっと広告の世界がどんなふうになっているかというのをまずお話したいんですが、激変しています。

  • 僕は二十何年、ADK、アサツーディ・ケイという、博報堂の次の3位の会社にいて、2年ちょっと博報堂にいたんですけども、本当に僕が20代のころに習ったことというのは、変わらない部分もあるんですけど、ものすごく変わっている部分もあって、正直、ついていけなくなっている人もままいると。40代、50代で。ということがあります。

  • でも、もちろん、20代で頑張っていて、そのままさらに活躍し続ける人もいます。そういう意味では、メディア・イノベーションとなぞらえていえば、広告界も広告イノベーションの真っただ中にいると言っていいと思います。特にここ10年ぐらい、それが激しいというふうに感じています。じゃあ、それはなぜかという話なんですけれども、広告って、もともと自分たちが伝えたい、広告の主が商品やブランドについて伝えたいことを、ユーザーや、これからユーザーになってくれそうな人に伝えるんですけども、

  • そのために必ずメディアを通すんですね。基本は。テレビCMだったり新聞広告だったりということで、必ずとはいえないですけど、基本はメディアを通すということがあるんで、広告自体が変わったというよりは、広告界が激変しているのは、世の中が激変しているからなんですね。別に広告、さあ変わるぞ、広告に改革をなんて誰も思ってないと僕は思うんです。そうではなくて、世の中が変わっているから。

  • 世の中、特に消費者とかユーザーといわれる人たちが、つまり僕たち、皆さんが変わっているから、広告は激変して、広告イノベーションを盛んにトライしている。じゃあ、どう激変しているかというと、大きくいうと2つあって、1つはメディアの側面。(1)のデジタル・シフト、ソーシャル・シフトっていうのはメディアの側面で、人が情報接触、広告的にいうと、人々の情報接触って考えるんですけど、

  • 情報接触するところが、テレビ、アナログテレビであり、紙の媒体であったのが、どんどんネット系にシフトしていると。あるいはソーシャル・メディアにシフトしていると。そのことをデジタル・シフト、ソーシャル・シフトっていうふうに呼んだりするんですけども、例えば僕も、ツイッター経由で、僕、ツイッター、すごくヘビーユーザーなんですけど。フェイスブックと。ツイッターとフェイスブック経由で入ってくる情報がいまや大部分です。

  • もちろん、そこからどこかのニュースサイトに飛ぶみたいなケースは多いんですけども。なので、情報の大本は、メディア業界の方が作ったものであるケースが多いんですが、情報と接触する場所っていうのは、僕の場合でいうと完全にデジタル及びソーシャルに移行しているんですね。なので、広告としては、そこに対応することを考えざるを得ないというのがあります。

  • あと、もっというと、広告って基本的には購買につながることを考えるわけですから、購買行動もデジタル・シフト、ソーシャル・シフトしていると思います。それは情報との接触ということとかぶってくるんですが、ツイッターで「あれいいよ」って人がいたら、僕は、そこで何か買おうとする。

  • あるいは、今朝もペーパーナプキン...、ハンドタオルか。ペーパーハンドタオル買っておいてって奥さんに言われて、アマゾン、iPhoneのアマゾンの購入履歴から、もう一度買うを押して、1分ぐらいで買えちゃうんですね。単なるお使いおじさんなんですけど、それを、iPhoneでやっているということがあります。そうすると、広告コミュニケーションを取る場も、もちろん、テレビを活用したり新聞を活用したりもしてるんですけど、主戦場が移ってきているということですね。

  • もう1つは、商品社会の成熟化ということがあると思うんですけど、長らく機能的な差別化ポイントを広告のメッセージの中心に据えるというやり方が主流だったんですけれども、でも、特に日本あるいは欧米の先進国といわれるようなところでは、ほとんどの商品が価値が高くなっちゃって、例えばペットボトルの麦茶って、どれ飲んでも、まあまあ、別にひどい目に遭わない。まあまあおいしい。

  • ほんのちょっと違うかもしれない。これは優しさというのを売りにしていたりとか、中国本来のっていうのを売りにしているものもあっても、ほんの少し違うかもしれないけど、いわゆる商品特徴だけでは、なかなか絶対に買うぞって思ってもらえなくなっているということがあります。ある商品特徴だけで絶対買うぞって思うようなポイントが、機能的差別化ポイントというものがなかなか出てこなくなっている。

  • そしてまた、競争が激しいですから、機能的差別化ポイントって、まねされやすいんですね。半年もすれば追いつかれちゃうというケースが結構あるので、なかなか広告のやり方自体も変わらざるを得なくなっているということがあります。でも僕は、広告代理店の中でも、変化がつらいと、50になって今更フェイスブックとかやるのいやだって嘆くおじさんもいるんですが、それは違うなと思っています。広告に関わる人、多分、ひょっとしたらメディアも今そうなのかもしれませんが、

  • 少なくとも広告にとっては、変化は宿命なので、55年ぐらい前にテレビ局ができて、テレビCMが、新聞広告から、テレビ広告が広告業界の主役の座を奪ったときも、結構、困った人はいっぱいいると思うんですね。昨日まで新聞広告のプロだったんだけど、動画を作れって言われても困っちゃうよという人がいっぱいいたと思うんですけど、しょうがないんですね。世の中の変化に合わせて、広告というのは対応していかなければいけないので、宿命だというふうに思っています。

  • 常識って結構役に立つんですけども、あまり古い常識にとらわれていると、自分たちを縛り付けることになって、やっぱり常に新しい常識を学び直すというのが必要だなと。皆さん学生さんで学んでいるわけですけど、僕もなぜカンヌに毎年、高いお金と長い時間を使って行っているかというと、それは研究対象だというのもあるんですけど、常にアップデートしないといけないので、自分の考えとか知ってることを。

  • カンヌってすごくアップデートするのにいい場所なので行っているというところがあります。なので、今日、僕も、あと、ほかの先生方も、現段階での新しい常識というのを皆さんに教えてくれると思うので、それは学んでいただいて。でも、それも5年もすれば、ひょっとしたら来年、古くなっているかもしれないので、常にアップデートするというのが必要だと思います。

  • そんなようなことで、カンヌを13回行って、15年ぐらい見続けていることで、去年、「『これからの広告』の教科書」っていうのを、日本の例も取り上げているんですが、今の、そしてこれからちょっと先までのトレンドというのをまとめてますので、興味がある方は手にとってもらえるとうれしいなと思います。ここで考えたことのほとんどは、カンヌを15年ぐらい見続けていることから出てきています。

  • さっきから、カンヌ、カンヌって言ってることの、カンヌライオンズというのの説明もちょっとしていきたいんですが、簡単にいうと、広告イノベーションの見本市というふうに思ってもらっていいと思います。しかも世界で唯一とは言わないけど、最高峰というか、飛びぬけて存在感の強い、価値の高いところです。国際広告賞というのは、いろんな国の人がこんなに面白いことをやりましたといって応募してくるので、広告イノベーションの見本市的な側面があるんですけれども、

  • その中でも、今はカンヌライオンズっていうんですけど、カンヌライオンズは、これはライオンがシンボルマークなので、で、カンヌでやるのでカンヌライオンズっていうんですけど。三大広告賞とかっていうよりも1+4だというような言われ方をします。4というのはクリオとかD&ADとか、いくつかあるんですけど、その中でもカンヌは飛び抜けていると。

  • これは、広告業界の人の...。特に欧米の広告業界って、こういうところで賞を取ったりすると、給料が倍になって転職できたりするので、そういうことも含むんですけど、そういう意味でも影響力あるし、あるいは、広告イノベーションの見本市という意味合いからも飛び抜けていると思います。何をもって飛び抜けているかというと、それは、ほかの広告賞はあまり現地参加のニーズが多くないんですけど、1万5000人ぐらい、今年、来ていると。

  • 毎年1万人以上が、世界の広告関係あるいはマーケティング、コミュニケーション関係の人がやってくると。それから、これははっきりしたことはわからないんですが、新傾向を選ぶ、高いところに、グランプリとかゴールドとか、高いポジションに選ぶ傾向があると昔からいわれています。伝統の技ではなく新しいものを表彰する傾向があるということで、

  • 現地参加型ということと新傾向の宝庫ということで、カンヌがそういったさまざまな国際賞や国際セミナーみたいなことの中で飛び抜けた存在になっているかなと思います。もう1つは、カンヌライオンズの受賞作というのは、今日、僕、またご紹介していくんですが、これはヒントがいっぱいあって、先ほどのデジタル・シフト、ソーシャル・シフトで、ちょっと複雑化してるんですね、広告コミュニケーション自体が。テレビCM1本見て、ああなるほどっていかないんです。

  • あるいは新聞広告1本見て、ほほーっていうわけにはいかないんですね。これとこれがこう連動して、こんなイベントをやって、だからこういうふうに効果があった。あるいはこんな課題があった。例えばさっきの「The Next Rembrandt」も、INGは最もイノベーティブな金融機関というのを標榜していて、それをより知らしめるためにああいうことをやったわけですね。そういうことがわかりづらいんですけども、

  • さっき、湯淺先生がお見せしていたのも、応募用の事例ビデオと呼ばれるものなんですが、手際よく2分から3分の応募ビデオなんですけど、僕ら、勉強するヒントをもらおうとする側からすると解説ビデオなんですね。こういう課題があったので、こういうことを考えてこんなことを実施したら、リザルトという結果を書いてあるケースも多いんですが、どれだけいい例があったとか。時にはどれだけ購入意向が上がったみたいな、告げられているものがあるので、そんなコンパクトにそういうのを見るのは通常できないので。

  • あるいはボードもあるんですね。ボードにまとまっていたりもするので、非常に役に立つものです。今年、どんなだったかっていうと、4万3000点応募があって、90か国以上から4万3000点以上の応募があって、大体、最終的には1万5000人参加していたといいます。日本からも400人ぐらい。正確な数字はちょっとわかんないですけど毎年400〜500人行っているというふうに聞いています。

  • 基本的には代理店の人。あとは広告関連のプロダクションといわれる、フィルムを作る人とか、最近だとデジタル系の人、PR系の人、さまざまな...。あと、広告主のですね、アドバタイザーの側の人、さまざま来ています。

  • ちょっと簡単に歴史を振り返っておくと、1954年に劇場CMの賞として発足して、2016年で63年目。で、どんどん、部門がここ10年、20年増えていまして、2016年現在、カンヌライオンズと呼ばれるものだけで18部門。更に別枠として、ライオンズ・ヘルス、ライオンズ・イノベーション、ライオンズ・エンタテイメントというのもできていて、総合計24部門となっています。

  • 全部説明すると、すごい大変なので。大変というのは、話しても時間がかかるし、理解いただくのもとても時間がかかるので。そして、そこにはそんなに学生の皆さんにはそんなに意味がないと思うので細かく説明しませんけど、そんなような状況です。部門が増え続けていることに、結構、広告代理店の人とかからも、ちょっと批判的な意見もあって。なんで、そんなに増やすんだと。よくわけわかんないよという意見もあるんですけど。

  • この人はカンヌライオンズを実質的に仕切っているサベージさんという会長さんなんですが、何度かお話しする機会があって、今回もちょっとお話ししたんですけど、同じことを言っていて、別にカンヌが儲けたいからやってるわけじゃないのだということを盛んに言っているわけですけど。現実の広告業界、マーケティング界が、ある意味、複雑化してきているので、そう変化してきているから、それに対応しているんだと。

  • カンヌライオンズが何かを、こっちの方向に持っていこうと、リードしようとは考えていなくて、現実を映す鏡、リフレクションという言い方をしてましたけど、反映だと、現実のね。現実を映す鏡なのだということ言っていて、基本的にはそうなんだろうなと僕は思っています。いくつか、ちょっと、今年、改めて思ったことを文章で書き連ねてみますが、そういう意味で、広告界でも一部、賞とかをとってもしょうがないじゃないかという方もいるんですが、そういった意味の、賞のための賞みたいなものではないというふうに思います。

  • 現実のビジネスを映す鏡であり、実際に効果的だったもの、あるいは、少なくとも効果的なもの、広告を含めてヒントになるものが選ばれていると。単純に、楽しいね、面白いねということでは選ばれていないということがあるという前提で見ていただければと思います。

  • ただしですね、僕、どんどんどんどん部門が増えても、テリー・サベージ会長の言にしたがってというか、しょうがないよねと思ってたんですけど、今年あたりは、さすがに複雑になりすぎだなと思っていて。最初、応募する人もどこに出していいかわかんなかったりすることはあります。銅賞以上で、4〜5年前に1000点を超えたんですが、今年で1360点、銅賞以上があるんです。それだけ部門が増えて応募が増えているからなんですけど。

  • 全体でいうと3%ぐらいなんですけど、銅賞以上って。それも変わっていないんですけど、応募総数が増えれば増えると。なので、全部チェックは不可能だし、かつ、不必要なので、必要なものを必要な範囲で、それぞれの方が自分でヒントを得るために見ていけばいいかなと思っています。これは、皆さん、あんまりそんなふうにならないと思うんですけど、ちょっと、いわゆる業界でいうと、俺はあれも知ってる、これも知ってる、それも知ってるみたいな、へんなカンヌ通みたいな人もいたりするんですけど、それはそんなに意味がない。

  • それから、面白いな、すげえなっていうふうに感心するだけではなく、業務をしている人であれば、業務にどう生かすか。いろいろ学んで、これから皆さんご自身の進路を決めてというふうに考えている学生の皆さんであれば、自分のためのヒントにつながるものを効率よくというふうに考えています。自分のヒントにつながるものを効率よくのために、僕がやっていること。

  • 今日もこのあと紹介するのは、どういうふうにやっているかといいますと、必ず、さっきの「The Next Rembrandt」もそうなんですが、2つの部門でグランプリをとったとか、1つグランプリをとって5つの部門でゴールドをとったとか、話題作が10作品ぐらいあるんですね。もうちょっと広げても20作品ぐらい。なので、そこを中心にちょっと詳しく調べたり考えたりして、なんらかの特徴、トレンドを抽出して、この特徴って、金1個しかとっていなかったけど、あれにもいえるよねというふうに、ほかの受賞作も見るというふうにやっています。

  • あと、単年で見てもよくわからないというのもあると思うので、経年で、ここ数年の流れの中で見るべきだなと僕は思っていて、ここ数年の傾向をひと言で言うと、テレビCM1本、新聞広告1枚という、作品としてのクリエイティビティーから、仕掛けのクリエイティビティーというふうに、新聞でこれやって、ネットでこれやってみたいな。

  • あとでバーガーキングがやった「McWhopper」というのが出てくるんですが、それなんかは、まさしく新聞で始めて、プリント&パブリッシングっていう、新聞広告や雑誌広告の部門でグランプリをとっているんですけど、ほかの部門でもたくさん受賞していて、仕掛けていったクリエイティビティーになると思うので、そこでまたご説明します。それから、カンヌライオンズ、カンヌライオンズって言っていますが、2011年以前は、カンヌ国際広告祭といっていたんですね。

  • でも、広告と言ったときに、ちょっと狭く捉えられることがあるので、広告という言葉はなくして、カンヌライオンズ国際クリエイティビティフェスティバルという名前になって、ライオンがシンボルなのでそういう名前になって、ただ、あまりにも長いので、カンヌライオンズというふうにオフィシャルに略していいと。オフィシャルニックネームという形になっています。広告っていうのが、昔でいうとテレビCM、新聞広告、雑誌広告、ラジオCM、それから駅貼りポスターぐらいを指していたんですけども、クリエイティビティーというふうに広がったんです。

  • でも、マーケティングにかかわるクリエイティビティーというところにはまだ...。まだというか、まだかどうか知らないですけど、限っていて、マーケティングやブランディングに関する、普通の映画とかそういうのは対象にしていないので、ですけども、広告がクリエイティビティーに変化したと。もう、今年の事例にいきますけど、今年の事例を見るにあたっても、ちょっと復習としてお伝えしておきたい。去年までの流れとして大きく2つの流れがあってですね。

  • 1つはソーシャル・グッドという流れなんですね。ソーシャル・グッドってなんのことをいっているかというと、社会にいいっていうソーシャル・グッドです。これは、広告コミュニケーション、あるいはブランドが社会にいいことをやっていると伝えたほうが、効果が高いので、そういうようなことをやっているものが多いという意味でソーシャル・グッドというふうに言われています。

  • 多分、理解しやすいのは、ハイブリッド車を買うときに、燃費のよさでも買うんだけど、やっぱり、地球にやさしいというか。僕もハイブリッド車に乗っていますけど、去年かおととしから。燃費がいいというのと、まあ、多少なりとも地球環境にいいんだったら、そっちを買おうかなと思う。そういうときにソーシャル・グッドにあたる広告コミュニケーションは、どうせ車に乗るなら地球にやさしいほうに乗ろうよという、そういうメッセージをするという意味のソーシャル・グッドです。

  • そういったものは非常に多いです。もう、あんまりですね、今年だと、ソーシャル・グッドっていう言われ方自体が耳にあんまりしない。それはごく普通になっちゃったからというふうに考えてください。それから、えっと...。tellingからdoingへという。これはそんなに言い方としては言われていないけど、言い方もされていて、どういうことかっていうと、

  • すごく人を泣かせるような動画を作るとか、パッと見て、すごいいいなと思うポスターを作るというのがtelling。何かを伝えるということだと思うんですけど、そうじゃなくて、何かやるんですね。実際に何か試作をやって、このあと出てくるREIっていう、最初に出てくるアウトドア用品店なんかがそうなんですけど、自分たちが何かやることで自分たちが伝えたいことを形にして、それを、ソーシャルメディア等で拡散するというやり方。

  • tellingからdoingへという流れがあるんですけども、これが今年も更にちょっと次の段階に入ったというか、加速したなというふうに思っています。ちょっと、大学の授業なのでソーシャル・グッドとかは少しフォローしておきたいんですけど、ここに書いたりすると、あれなんでしったっけね。向こうに流すのに難しいんでしたっけ。大丈夫ですか。

  • 1つ、CSVというのは、皆さん、授業でもやっているかどうかわかんないですけど、フォローしておきたい。

  • クリエイティング・シェアード・バリューっていうんですけど。これはポーターという人が言っているんですけど。マイケル・ポーターという経営戦略の先生ですかね。超有名な先生が言っていて、これは広告業界でもすごく言われていて、シェアされるような価値を作って、そのことによって商品を売る。商品の機能性そのものではなく。ということがいわれていて、ソーシャル・グッドの流れと非常に近いというふうに思っています。これ、いろんな記事が出てたりしますから、これは見てみるといいと思います。

  • よくCSRとの流れで語られるんですが、これはコーポレート・ソーシャル・リスポンシビリティーですね。でも、ポーターが言っているのは、CSRからCSVへと言っていて、CSVというのはちょっと皆さん注意してみてもいいかと思います。それからコトラーさんって有名ですけど、コトラーさんたち、あとほかにも一緒に書いている人がいるんですけど、コトラーさんたちがマーケティング3.0と言っていて、

  • マーケティングは次の段階に入ったということを言っていて、ここでも、世界をよくするみたいなことが、マーケティングの目的の1つになっているというようなことを言っていて、ソーシャル・グッドの流れにあるかなと思います。もう1個、実務的にいうと、ソーシャル・グッドの前に、自分ごと化っていうことがよく言われているんですね。今もそうなんですけど。

  • これは他人事、ひとごとの反対の言葉で、結局どんなにいい商品でも、今、スルーの時代ですから、スルーされたら終わりなので、自分のことというふうにとってもらわないといけないので、自分ごと化を図るような広告コミュニケーションをやっているんですけども、今、自分ごと化に加えてか、自分ごと化からかわからないですけど、世の中ごと化というような言い方をする人もいます。これはソーシャル・グッドと近いです。

  • 世の中の話にするということなんですね。これ、このあともちょっとこっちにも絡めてお話しするかもしれないんで、書いたままにしておきます。随分と、今年の受賞作にいく前に前段を話してしまいましたが、あと1時間ぐらい残ってるので、お話ししていきたいんですが、じゃあ、カンヌライオンズ2016ではどんなものが受賞したか。さっきの僕のやり方で、話題作を中心に見ていって、そこにどんなトレンドや特徴があったかというのを3つ、解説しながら、あとのほうでは、日本勢でとったものはどんなものかを紹介していきたいんですけど。

  • まずですね、「リアル世界で、エクスペリメント。」っていうふうに、エクスペリメント、実験ですね。まとめてみたんですけど、tellingからdoingへの流れで、ここ数年、いくつか、こういうのがあったんですね。

  • 「リアル・ビューティー・スケッチ」というのが有名なんですけど、これはダヴという石鹸やスキンケアの会社が、ずっと「リアル・ビューティー」という、女性は一人一人が個人個人の美しさを持っているんだから、あんまり簡単にメイクで同じ顔にしないで、あなた自身の美しさを生かしましょうと。それを石鹸やスキンケアでサポートするのがダヴですっていうのを、ずっとやってるんですけど、そんなので非常に有名な広告コミュニケーションで「リアル・ビューティー・スケッチ」というのがあって、これは実験をやるんですが、ある部屋でやるんですね。

  • 何をやるかというと、FBIで、もともと証言に基づいて似顔絵を描いて、犯人を捕まえるための似顔絵を描いていた人を雇ってきて、10人ぐらい普通の人を呼んできて、あなたの顔はどんなですかっつって、顔を見ないで似顔絵を描くんです。で、仕上がると。

  • 次に、待合室で一緒になった他人に、さっきいたジェーンさんは顔はどんなでしたか?おでこはこんなで...、というのを何人かに聞いて似顔絵を描くと。そうすると大体、あとのほう、人の証言に基づいた似顔絵のほうがきれいだ、あるいは感じがいいっていう。その2枚を並べて本人が見ると、本人が結構、私って自己評価低いみたいなので涙ぐむみたいのを、ある種の実験なんですけれども、それをやって動画に撮って、最後に、ユー アー モア ビューティフル ザン ユー シンク、あなたは、あなたが思っているより美しいんだというので、これは世界で1億回以上見られたウェブ動画なんですけど。そのやり方っていうのはすごく多かったんですね、ここのところ。

  • でも、ちょっとそれもさすがに飽きられてきたのか、そういった密室型の実験じゃないものが今年はあったと。そうすると、今年とったものから見ると、「リアル・ビューティー・スケッチ」とか、去年、オールウェイズっていう生理用品のライクアガールというのも似たやり方をしてるんですけど、あれ?簡単にできたな、むしろ、というふうに思えるような大掛かりなものがいくつかありました。

  • それをご紹介していきます。まず「#OptOutside」っていう、REIっていうアウトドア用品会社、アウトドア用品店ですね、ごめんなさい、会社というより店舗のもので、

  • チタニウムのグランプリ、プロモ&アクティベーショングランプリほか、いくつかとっています。今、英語の、さっきの応募ビデオを見ていただきますが、ちょっといくつか前提がわからないとわからないのでお話ししておきますと、まず、アメリカにはブラックフライデーという、11月28日だったかな。ブラックはだめな黒じゃなくて、黒字になるフライデーという。そこから1か月間、みんなお金を使うっていう日があって。

  • 日本でいうと、多分、小売店にとっては正月商戦みたいな。この日稼ぐぞっていう日があるんですね。非常に一般的なブラックフライデーというのがあって、その日に、このREIは、全店舗、アメリカに200だか、ちょっと、今、はっきり数字は忘れちゃいましたけど、100とか200ある店舗を全部閉めたんです。閉めて、そこにREIはクローズ、あえて閉めますと。何を主張したかというと、そんな買い物に血道を...、一生懸命になってないで外に行きましょうと。アウトドアに行きましょうということを訴えた。

  • ネット等で訴えて、全店舗、職員も休ませて、外に行ってアウトドアで楽しんでいるところを上げようと、インスタとかYouTubeとかに。それが大成功したという話になります。オプトアウトって辞書で引くと、離脱するみたいな意味なんですね。それとアウトサイドって、アウトドアに行こうってかけてると思うんですけど、

  • 要は、REIというのは、人々に外に行ってもらうためのお店なので、それを自分たち自身がやるということで表現したというものになります。これちょっと、先に僕の感想みたいなのをちょっと書いておくと、授賞式でもアンチ・マーケティングマーケティングと言っていましたけど、「売らんかな」じゃないんですね。今売りたいというより、自分たちのビジョンやブランディングを優先している。

  • なんか聞くと、REIって会社はもともと、辞めたアスリートとかセミプロ級の人とかが偉いほうにいて、本気でアウトドアを愛する人のためのお店というところはあったようです。世の中巻き込み型だし、tellingからdoingの流れでいうと、巻き込むという意味で、インボルビングdoingみたいなことがいえると思うんですが。

  • それから、リアルタイムマーケティングがここ数年、非常にはやっていて、あるイベントに合わせて、例えばエイプリルフールに何かやるというのもリアルタイムマーケティングの1つなんですけども、あるいは、ああいう、サッカーのワールドカップの日本代表の試合に合わせて、日本でもやっている例があるんですが、世間の関心事をうまくいかした、ブラックフライデーに合わせて、世間の関心事をうまくいかしたという意味ではリアルタイムマーケティングの一種かなと思います。

  • これだけリンクが貼れなかったのでこっちから直接。(動画を見ています)アウトドアショップのREIは人々を外に連れ出すために存在するんだと。

  • それをアメリカの最大のショッピングデーにやったと。最初のほうは、どれだけ、どういうふうにニュースとかに取り上げられたかって話です。(動画を見ています)

  • この人は実際の店長さんですね。初めてだよ、ブラックフライデーに休んだの、みたいなことを言っていると。いろんなツールも用意したということでしょうね。ソーシャルメディアでREIについて語られることが7000%アップって出てましたかね。ものすごい増えたと。みんな、買い物なんかやめて外行こうよと。REIは閉めてますよと、わざわざこういうふうにビルに出したりしたと。ブラックフライデーに外行こうよと、あれはREIの人だと思うんですけど、呼びかけているわけですね。

  • まあ、ネット上のツールもいろいろ用意したと。そしたら、なんか、ほかにも賛同するお店が現れ始めたと。170以上のっていうのは本当かどうかわかんない。本当なんでしょうけど。それからいくつか有料のアウトドアの公園が、その日、じゃあ、無料にしますというような全国的なムーブメントになった。

  • 今の時代は、こういうふうに上げてくれれば非常に話題になるので、口コミというか、ソーシャルメディア上での評判というのは非常に重要になってくる。ソーシャルメディア上での話題化というのは非常に重要なので、CSVみたいなソーシャル・グッドみたいな、あるいは世の中ごと化が重要になってきているともいえるんですけど、REIの例が非常に目立っていました。

  • 次のものを見ましょう。これも非常にたくさんとってました。メディアのグランプリ。それからプレス部門といわれていた、新聞広告や雑誌広告メインのところがプリント&パブリッシング部門となったんですが、そこのグランプリもとっていて、新聞広告が重要な役目を果たしているからなんですけど、ここも解説してから、今みたいなビデオを見ていただきますが、

  • まず、バーガーキングってあんまり日本にそんな多くないんですけど、アメリカとかだと、本当に...。これはね、ニュージーランドのバーガーキングではなくて、ニュージーランドでもやったと思うんですけど、アメリカがメインの事例です。いろんな国でやったそうです。なんでニュージーランドっていうふうにここに書いているかというと、ニュージーランドの広告代理店がもともと提案したものなんですね。Y&R、ヤング&ルビカムというところがやったものなんですけど。

  • バーガーキングのメインのハンバーガーのことを、バーガーキングではワッパーというんですね。Whopperでワッパーだと。対抗勢力、競合、最も競合するところはマクドナルドなんですね。これもリアルタイムマーケティングの一種なんですけど、ピースワンデイだったかな。ちょっとあとで出てきますけど、国際平和の日というのがあって、それは10年も20年も前からあるらしいんですけども。

  • 例えば紛争しているところも、その日だけはちょっと停戦しましょうよというようなことを訴えている日なんですね。その日を世間的にも広めるということもやりながら、じゃあ、そのピースワンデイの日に合わせて、バーガーキングがやったのは、ビッグマックとワッパーを一緒にした「McWhopper」というメニューを作って、共同で売りませんかという提案をウェブ上でもしたし、

  • 新聞でマクドナルドに対して、確かレター トゥ マクドナルドみたいなので始まるんですけど、やりましょうよ、一緒にと。その新聞広告を読むと、とりあえず1店舗、用意しますから、そこにお宅の店員を来させてくれれば、レシピを持って。制服もマックとワッパーと半分になっているのを作っておきますし、やりましょうと。1日だけやりましょうよという提案をしたんですね。

  • ところが、マクドナルドは断るんです。いいアイデアだけど、普通に競争しようよみたいな。やらないっていうのを、CEOがフェイスブックで断る。で、そうすると、バーガーキング側はネット上でも、こういうふうに作ればできるよみたいなことを上げているわけですけど、いろんな人が、一般の人が、なんだよ、おいマクドナルド、おもしろい試みなのにということで、

  • 自分で作ったMcWhopperを、まあ、McWhopperはないんですけど、ビッグマックとワッパーを買ってきて自分で作ったのをYouTubeとかにがんがん上げ始めるんですね。それが非常に話題になって、新聞やテレビにも取り上げられ、ビデオによると、バーガーキングの購入意向が、事前事後で調査したら25%アップしたという。

  • 売り上げとかにもつながりそうな...。売り上げとかってなかなか出てこないんですけど、こういうところには。企業秘密でもあり。でも、購入意向25%アップというのは非常に大きなことだろうなと思います。ちょっと見てみましょう。これは、メディアでどう取り上げられたかですね。完璧なゲリラマーケティングとか、みんながこのことについて話してるよというようなことが盛んに言われたと。

  • これは新聞ですね。アン オープンレター フロム バーガーキング トゥ マクドナルド。(動画を見ています)ピースワンデイですね。これは、ピースワンデイの創設者の人も協力してくれると。

  • こういうユニホームまで考えたんですね。でも、マクドナルドは断ったと。非常にいい意見ではあるけど、普通に争おうよと。そしたら、自分たちで上げ始める人ががんがん出たと。

  • すごいですよね。デニーズとかは賛同して、その日だけ一緒にやろうよというようなことをやったと。

  • 非常にいろんなところに取り上げられたって話と、これは、そのことが書かれてますね。25%アップ、購入意向が。バーガーキングの。ピースワンデイのことも認知が40%上がった。

  • なんかね、聞いたところによると、もともとニュージーランドの代理店が、ニュージーランドのバーガーキングに持ち込んだんだけど、OKが出ず、確か2年越しとかで、本国のほうに、アメリカに持ち込んだら、提案したらOKが出てやったということです。

  • これ、世の中巻き込み型インボルビングdoingということは、さっきのREIと同じで、消費者が参加しやすいネタの提供を、ライバル社まで巻き込んだ「McWhopper」というのを考えて、そこに対して新聞広告上で手紙を出すというようなことまでやってということが非常にキーだったかなと。これもリアルタイムマーケティングの一種かなというふうに思います。何か自分たちの伝えたいことを伝えるんですけど、それを実験室の中でやるんじゃなくて、世の中でやっているということが特徴かなと思います。

  • もう1個、そんなような特徴を持ったのがあって、これはニュージーランドのハイネケン社がやったDB Exportだったかな。ハイネケンって名前じゃないビールのリローンチ、再新発売みたいなときにやったもので、これも説明してから見てもらったほうがいいと思うんですけど、

  • アウトドアのグランプリと、ほかの部門でも金賞とかをとったものなんですが、「Brewtroleum」というのは、ブルーはブルーイング、ビール製造とかの、ビールのことを表していて、

  • ペトローリアムと言うと思うんですけど、石油との合成語だと思うんですけど、半年かけてイースト菌とかでビールを作る過程で、バイオ燃料を作るんですね。車に入れるとガソリンよりも空気を汚さないバイオ燃料を作って、しかも、ニュージーランドの50か所だったか60か所だかに、バイオ燃料スタンドもちゃんと作るんです。

  • それでちゃんと自動車が走って、そこのスタンドで入れた燃料で走れば、世界によりよいということをやって、それで、ただ、要は、そのビールが売れないと、そのバイオ燃料スタンドは燃料がなくなっちゃうので、ビールを飲んでくれと。世界を救うためにビールを飲んでくれと。トゥ セーブ ザ ワールドとか言ってるんですけど。より環境にいい燃料を作るために、どんどんこのビールを飲んでくれっていう訴求を、メッセージをしたという例です。ちょっと見てみましょう。

  • これも、どれだけビールを飲みたい人が減っているかという話ですね。特に若い人、ビールを飲む人が減っていると。

  • DB Exportっていうビールをリローンチするときに、こんなことをやったと。バイオエネルギーを作るようなことをやったんですね。ドリンク トゥナイト フォー ア ベター トゥモロー、よりより明日のために飲もうぜというようなバナーを出したり、セーブ ザ ワールドということですね。

  • (動画を見ています)

  • 六十何か所って言ってましたね、今。ニュージーランド全土で。まあ、奥さんにどこ行くの?って言われると、ただ飲みに行くのにトゥ セーブ ザ ワールドって格好つけて言うわけです。10%売り上げアップですかね。どんどん下がっている中で。

  • 僕も非常にビール飲みなので、大変、ビール飲みの気持ちをよくわかっているなというか。俺もなんか、うちの奥さん、あんまり言わないけど、今日どこ行くの?って言われて、トゥ セーブ ザ ワールドって、なんか言いたい気持ちはすごく分かるし、ちょっと、まあまあおいしければ、せっかくだったら飲んで世界を救おうぜって盛り上がるっていう、一種の世の中ごと化だと思うんですね。

  • あるいは、さっきソーシャル・グッドともう1つ、tellingからdoingへというキーワードとか、ここ数年の流れについても話したんですけど、これなんかも、まずバイオ燃料を開発するっていうことをdoingしたんですね。それから、これ、ごめんなさい、ガソリンスタンドじゃないですね。バイオ燃料スタンドですけど、60何箇所作るっていう本気度、大掛かり度ですよね。

  • それからビールというカテゴリーやブランドのインサイト。インサイトっていうのも、広告業界ではよくいう、本音ってよく訳される。消費者の本音をよくとらえたうえでの、そのうえでのソーシャル・グッドかなと。あんまり難しいことを言われたくないじゃないですか、ビール飲むときに。ビール飲んで、なんか、なんだろうな、あまり小難しいことを言われたくないけど、でも、一応普通にガソリンを使うよりも、地球環境によくて、トゥ セーブ ザ ワ−ルドってちょっと大げさに言いたいみたいな、ビール飲みの本音をよくつかんでいたかなと。

  • それから、一番上の3行でいうと、去年、おととしあたりですね、ソーシャル・グッド、ソーシャル・グッド言い過ぎて、小難しくなっているな、最近の広告界みたいな話があったんですけど、でも、こんなふうにユーモラス・ソーシャル・グッドというか、難しい顔をせずとも、ソーシャルにグッドなことができるなというふうに思った次第です。

  • あるいは、あんまり世の中にいいとかっていうふうに大上段に構えず、世の中ごと化みたいに考えれば、この商品を、あるいはこのブランドを世の中ごと化するにはどうすればいいかって考えたときに、こういうアイデアも出てきて、やろうぜとなるのかなというふうに思いました。いろんな、そういう応募ビデオや応募ボードだけでは、ちょっとわかんなくて、僕が興味あるのは、いくらぐらいかかっているのかと。

  • 普通にテレビや新聞で同じ規模というか、広告をやってるときと、コストパフォーマンスどうだったのかなって非常に気になるところです。ただ、基本的にメディア費というのは高いので、広告を出す側からすると。非常に高いので、もし...、だからこそ、最初のほうのビデオでビールの飲料意向がずっと減っているというのが出ていたと思うんですけど、普通に広告をやっても、なかなか前年比10%アップの成績、売り上げとかは達成できないんじゃないかということを考えると、そんなに莫大...。

  • お金はかかっているけど、じゃあ、普通に大々的にテレビとかを使ってやるキャンペーンに比べて、桁外れに高い費用がかかったかというと、そうでもないんじゃないかなという予想をしています。わかんないです。そこは、本当は調べたいなと思ってます。それからですね、これも単純です。

  • 「The Swedish Number」というのがあって、スウェーデン観光協会がやったんですけど、非常に単純な発想なんですけど、世の中でちゃんとやったっていう例なんですけど。会社に代表番号ってあるよねと。例えば日大にも代表番号ってあるよねと。湯淺先生に電話したいのにどこだかわかんなかったら、代表番号に電話して、新聞学科の湯淺先生の番号どこですか?とか、つないでくださいってできる。

  • じゃあ、国にもあってもいいじゃないかというので、国の代表番号を作って、そこに電話すると、あらかじめ英語ができる人が登録してあって、その人が質問に答えてくれるっていう、そういう話です。これ実際にやったみたいで、僕の知人は、英語ができるやつが電話してみたら、すごくよく答えてくれたと言っていました。今も多分生きてると思います、この番号。ここに出てきますけど。(動画を見ています)

  • スウェーデンっていうのは非常にオープンなマインドの人が多い国だと。それを証明したんだと。「The Swedish Number」。誰かにつながるんで、その人と話をする。

  • この辺はやり取りがいくつか紹介されている。なんか、いろんな場所でフリーにしゃべれるっていう法律ができた250周年記念も兼ねていると。(動画を見ています)

  • なんかね、白熊に会えるの?みたいなこと聞いたり、イケアがそこら中にあるのか?みたいな質問をしたりしてますね。やり取りをすると。首相まで出てきちゃうケースもあると。この人、首相なんですね。

  • というようなものですね。あと、ここまでいくつか見てきて、メディアインプレッションという言い方が非常に出てきているのを気がつかれたかと思うんですけど、

  • ここ、特にここ2〜3年、目立ってきたように思うんですけど、その前はいくら分、CM費換算すると1億円分取り上げられましたとかっていう結果のリザルトの出し方が多かったんですけど、今、メディアインプレッションって、もともとPR系で出てきた言葉らしいんですけど、どれだけ表示されたか。それをネットも含め、新聞や雑誌も全部足しあげた回数のようで、あんまりちゃんとした基準はないみたいなんですね。僕が調べた限り。

  • でも、みんな、足し上げてやっていると言っていました。日本の外資で応募している人に聞いたんですけど、足し上げて出していると。メディアインプレッション、3億何千回とかというように出ていますね。もともとネット業界用語でも、どれだけ表示されたかっていうのを広告費用換算するときインプレッションという言葉を使うんですけども、より、なんていうんですかね、広い意味でマスメディアも含んだ意味で使うケースが増えていると思います。

  • この「The Swedish Number」は本当に発想が単純でシンプルで、国の代表番号をつけちゃおうよと。ただ、実際に応答してくれる人を確保して実行していくのは相当なエネルギーかなと。首相まで巻き込んでということで。

  • この1つ目のトレンドというのは非常に大掛かりに、ある本気度をもってやることで、人の心が動いたり、行動が変わったりしたという例になります。それが1番目の、世の中で実験を本当にやっちゃうというのが1つ目のトレンドで、2つ目のトレンドは、データテクノロジーです。先ほど湯淺先生ご紹介していたところです。僕の視点から見ると、とはいえデータ、データ、データしているものとか、テクノロジーだぜイエイ!みたいなものはあんまり評価されていなくて、

  • それが身体化、実体化みたいな、このスライドに書いてますけども、もうちょっと、なんていうんですか。例えば300年前の画家の絵を、絵にするとかですね。そういうふうにデジタルとアナログの接点を攻めるようなものが評価されていたように思います。ただし、会場全体では、AIの活用っていうのは本当に話題になっていて、「アルファ碁」もさっき紹介されてたのかな。「アルファ碁」もイノベーションライオンというののグランプリをとっていたし、

  • サムスンがスポンサードをしていて、今年のカンヌライオンズは。なので、会場の外でも中でも、VR、ゴーグルをして動いて...。僕はすぐ気持ち悪くなっちゃうのでやらなかったんですけど、やってみませんかみたいなのを盛んにやってました。その中でも、身体化、実体化みたいなことで評価が高かったのが、「The Next Rembrandt」ですね。サイバーのグランプリ。クリエイティブデータのグランプリ。

  • これ、さっきビデオが流れていたので、ビデオは流さないですけど、データ&テクノロジーと、300年前の絵画っていう意外性のある組み合わせが評価されたかなと。クライアントはINGという銀行、金融企業で、INGは金融分野でのイノベーションを標榜していて、実際IT化を次々進めているということがあって、それを伝えたいがためにやったということですね。

  • あともう1つ、非常に評価が高かったのは、「The Field Trip to Mars」という。これはグランプリはとってないですね。いろんな部門で金賞をとっていて。これはロッキード・マーティン社という、ロッキード社ですね。昔、ロッキード事件って日本でもありましたけど。飛行機を作ってる会社。あるいは宇宙船も作っているらしくて、2030年だかに、10年とか20年後に、火星まで行けるロケットを開発するっていう発表をしているらしいですね。

  • そのことを世間にメッセージするために、小学生の黄色いバスありますよね、アメリカである、よく通学とかに使う。フィールドトリップというのは遠足なんですけど、ちょっと郊外に行く。小学生が、今の小学生が、多分、実際に火星に行く最初の世代になるだろうということで、

  • 小学生が乗るスクールバスを、1台改造して、窓に仕掛けをしてですね、小学生はちょっと郊外に行くよといわれて乗るんだけど、そうすると、ある時点から全部、火星になるっていうやつなんですね。これはグループVRっていう言われ方もしてましたけど、グループバーチャルリアリティー。VRって、ちょっとこれをつけて、ヘッドセットをつけて、孤立してやるんだけど、20人とかで同時に体験できる。

  • ノーゴーグル、ノーヘッドセットで。ということが非常に面白いというふうに評価されてたと思います。今、火星に行けるテクノロジーを自分たちは作っていると。本当に最初に、実際に行く世代の人たちにそれを見てもらおうと。

  • みんなは普通に、ちょっと郊外に行くんだ思っている。楽しくやっているわけですね、小学生は。もっと遠くに連れていくんだと。まあ、火星ですよね。暗くなって外を見ると...。ちょっと見えづらいですけどね。全部、あの...。グループVRエクスペリエンス、ノーゴーグル、ノーヘッドセット。

  • 共有できるわけですね、VR、バーチャルリアリティーによる驚きを。それで、なんかですね、事前に、このバスが走る道路をちゃんとデータ化していて、バスが右に行くと外の景色も右に行くというふうにちゃんと作ってあったというのが、リアリティー。自分がバスに乗ってて右に行っているときに、映像も右に行くわけですから。ということですね。

  • まあ、テクノロジー的にも新しいし、そのテクノロジーを使って今までと違う体験、みんなで子どもたちが実際に火星を走っているようなことが感じられたという、新しい体験の提供というのが評価されたんだと思います。

  • これもtellingからdoingへですね。1つのバスを作って、みんなを連れて行って、そのことをビデオに撮って、いろんなところに発信したと。

  • 将来の火星旅行の顧客候補である子どもたちに向けてやって、スクールバスを用いてヘッドセットなしの火星ショーを繰り広げた。将来の顧客候補の子どもたちに向けてというようにビデオでも言ってましたけど、それを親が見るわけですよね。ウェブとかで。そのことによって、このロッキード・マーティン社の火星への取り組みへの期待感ということを親が感じてもらうというのが、本当の目的かなというふうには思います。

  • それから、これはちょっと虚を突いて面白いなと。アウトドアで金賞をとってたんですが、ジャガーがバーチャルリアリティーじゃなくてアクチュアルリアリティーという逆手に取ったものをやっていまして。見本市みたいなのに行くんですね、車の。そうすると、ジャガーのブースがあって、そこで大げさなヘッドセットをされて、止まっているジャガーに乗っかって。ここに乗っていてもらえば、ジャガーの走りをバーチャルリアリティーで体験してもらえますよって嘘を言うんです。

  • そうすると、実は、最初、なんか30秒とか1分とかは本当にVR、バーチャルリアリティーなんだけど、こっそりドライバーが乗ってきて、ガガガッと開いて、外を走って、外に出たところからリアルの映像に切り替わってて、ヘッドセットも。実はただ走っているのを見ているのに、キキーッと走るので、ああすげえってなるっていう話です。

  • それをまた人が見てたりするんですね、その会場で。(動画を見ています)こういうブースを用意してあるんですね。解説しているお姉さんと、見に来たお姉さんがいて、

  • リトルホワイトライ、悪気のない嘘を言うんだと。説明しているわけです、盛んに。こういうのが見えるよと。ビデオで。バーチャルリアリティーで。でも本当は、ああやってドライバーが乗ってきて、外に走っていくと。あの人は知らないわけです、この人。ここでライブカメラにスイッチされて、

  • これ以降は実際に走っているとこの映像。映像というか。でも本人はバーチャルリアリティーと思い込んで、キャーハー言っているんですね。まあ、あとで語っているわけですね。どんな気持ちだったかを。

  • これ今、本当はこうだったよって教えている、ビックリしているところですね。これ、セールスも上がったっていうのが書かれていますね。少ない予算で。

  • データ&テクノロジー、非常に注目を浴びてたんですが、少しアナログとの境目というか、ところに工夫を持っていったものが評価されていたと思います。トレンド3です。デジタル時代、テクノロジー時代だからこその超アナログ実感訴求みたいのは、常にあるんですけどね。常に、とんちみたいな、広告業界の、これはいい、僕は伝統だと思ってるんですけど、変わらない部分だと思っているんですけど、

  • そこのワンアイデアというか、とんちが生きているものをいくつかご紹介します。1つは、「Manboobs」。ブーブっていうのは、英語としては知らなかったんですが、引くと、おっぱいとかですね。

  • 「Manboobs」、男のおっぱいです。MACMAというアルゼンチンの乳がん啓発団体がやった広告コミュニケーションで、金賞をいくつかとっています。アルゼンチンでは、乳がんの受診率が非常に低いらしいんですね。僕は男なのであまり知りませんけど、自分で触診とかをするのが非常に有効で、ちょっと変なことがあったら病院に行って詳しく調べるというのが非常に重要なんだけど、それを啓発しようとしたと。

  • ところが、フェイスブックにしろ、インスタグラムにしろ、女性の胸、乳頭が見えてはいけないらしいんですね。見えると流せないんですって。ウェブ動画とかを。でも、リアルにわかってほしいというので、はたと思いついた。女の人がいるんですけど、その前に変なでぶちんの男を、座ってはいないのか、前にいさせて、女の人の手ででぶちんの男の胸を、この辺をこういうふうに触るのがいいですねと、まじめにやるっていう。

  • 規制を突破するためにやったんだけど、その画がまた妙にユーモラスで、とても広まったと、そういうものです。(動画を見ています)これもニュースでどれだけ取り上げられたかという話を延々。いまや、ニュースにどう取り上げられるかってのが、非常に重要なので。

  • ニップル、乳首を見せちゃいけないと。まじめに説明してるんですね。こういうふうに触って、なんか違和感がないか調べなさいと。

  • 4800万回、最初の1週間で見られたと。(動画を見ています)

  • なんかね、この応募ビデオでいうと、フェイスブックやインスタグラムの禁止事項というのを、いかにかいくぐるかをアイデアとして考えたと。

  • あと、このビデオにもたくさん出てくるので、トリプルメディアというのは説明しておいたほうがいいかなと思うんですけど。ここ、あれ何年前かな、5〜6年前からトリプルメディアって言い方をするようになって、

  • 本当は英語だとトリプルじゃないんですけど、日本ではトリプルメディアというふうに紹介されてるんですけど。メディアに、広告から見て、メディアに3つのタイプがあると。英語圏だとポエムっていうんですね。POEメディアでPOEM(ポエム)っていう。これは詩のポエムと同じスペルなんですけど。3つあって、POE。

  • Paid Media(ペイドメディア)。ペイドはペイされたですね。支払われたメディア。これは何を表すかというと、テレビCM、ペイするわけです、新聞社にとかテレビ局にとか。あるいはバナーもペイドメディアです。ヤフーとかに払うので。それから、Owned Media(オウンドメディア)。オウンドメディアは、自分で持っているメディアということです。つまり自社ウェブサイト。アナログだったら、カタログとかもそれに入ると思います。

  • 3つ目が、非常に今、重要だといわれている、ソーシャルシフト上、重要なんですけど、Earned Media(アーンドメディア)ですね。アーンは稼ぐですよね。稼ぐなので、ソーシャルメディア上で、例えばさっきの「McWhopper」でみんなが上げてくれた部分はアーンされているわけです。広告主からすると。

  • 自分はお金を払ってないのにやってくれている。あるいはニュースで取り上げてもらったところはアーンされているわけですね。なので、アーンドメディアいくら分というふうに出ていたりするのは、あれはマスメディアで取り上げられた、例えば合計30分取り上げられたら、それは普通に15秒買ったらいくら分だみたいなのが出てきているんです、さっきから応募ビデオに。ここは非常に重要。こっちも重要なんですけどね。ここが非常に重要だというふうに言われていますね。広がりという意味では。

  • それから、僕、個人的に今年のベスト1というと、意外とこれを挙げたくなるんですけど、金賞1個に銀賞いくつかとっているんですけど、ワンアイデアなんです、これも。あることをやるんですけど、何をしたかというとですね、

  • ベビーカーの会社で、非常に乗り心地に自信があるんだけど、赤ちゃんに乗り心地いい?って聞いてもわかんない。わかんないですよね。なので、大人が乗れる大きさの同じやつを1個作ったんですね。大人にウェブ上で申し込んでもらったりして来てもらって、乗ってもらうと、確かに乗り心地いいって言って買ってくれるっていう、そういう話です。(動画を見ています)

  • これは赤ちゃんに聞いても答えてくれないよねっていう話を実際にやってますね。このコートのお姉さんは案内役というか、このビデオの案内役。こういうのを作ったんですね。

  • コントアって会社。くだらないですけどね。みんなうれしそうなわけですよ。ちょっと乗ってみたくないですか、皆さん。どう?っつったら、スーパー気持ちいいよみたいなことを言っているわけです。母親みたいな感じになってますよね、このお姉さんが。

  • フィジカルなインタラクションの体験を提供したと。そして、それはプロダクトのデモにもなっている。オンライン、ウェブで紹介したわけですね。

  • tellingからdoingが成り立つ大きな理由は、ウェブがあるからですよね。これ、多分1台しか作っていないんですよ。応募してもらって、乗っかってもらうんだけど、その様子をウェブに流すことで、たくさんの人が見るわけですから、それは十分に数としても拡散して効果を上げることができるので、

  • 1個作ってテストライドをしてもらうというdoingが、ちゃんとコミュニケーションとして成り立つということになると思います。結構お馬鹿っぽくて僕は好きなんですけどね、これ。これもですね、僕、おもしろいと思いました。金賞、いくつかとっています。「Survival Billboad」。

  • マイクロソフトのXboxのゲームソフトですね。「トゥームレイダー」っていう映画があったかと思うんですけど、「トゥームレイダー」のゲームソフトということで、僕、中身あんまりわからないんですけど、サバイバルものらしいんですね。これも何をやったか説明してからビデオを見てもらうと、1か所しかやってないんですけど。そもそもゲーム発売日に、ビルボードは屋外看板ですね。屋外看板でやることは結構あるらしいんです。確かイギリスの例なんですけど。

  • でも、あんまり見てくれないというので、人が6人ぐらい看板に立つんですね。で、立って、24時間とか立ち続けられるかどうかっていうもので。そして、スマホで雨とか押して、何人になると雨を降らすとかだと思うんですけど、参加できるんです。雨を降らしちゃえみたいなのを押すと雨が降ったり、雪とか押すと雪が。

  • だんだん脱落していって、最後に残った人には旅行をプレゼントみたいなやつで。それもずっとウェブで中継してるので、1か所でしかやってないんだけど、何百万人とかが見たという、そういう話ですね。(動画を見ています)このアウトドアの看板というのは、新しいゲームをローンチしたときの、非常にみんな出してくるとこだと。「トゥームレイダー」もそれをやろうとしたと。

  • で、ある種、最も古い広告媒体。サバイバル オブ ザ グリッティスト。グリッティストというのは忍耐みたいな意味だったと。忍耐強いみたいな意味だと思います。スノーとかね。ちょっと、日本のお笑いのゲームにも感覚が似てます。

  • 3万2000コメントがウェブには出ていて、いろいろ、頑張れとか言うわけですね。この2人はあとでデートするんじゃないかみたいなことがコメントが入ったりとか、どんどんどんどん抜けていくと。14時間、22時間...。

  • ゲームみたいだけどリアルでやってるのがすごいよねみたいなコメントがあったんですけど、この人が優勝して、旅行プレゼントと。350万ビューあったんですね、1日で。

  • 今、だから、広告コミュニケーションのメディア、従来のメディア活用というのは、1つはウェブやスマホとかと、どううまくかませるか。この例なんかは、全くそうだと思うんですが、あるいは、「McWhopper」の新聞一面広告をキーにしたのもそうだと思うんですけど、そういうようなふうになっていると思います。

  • あと、これも一応、一応というか、僕はあまりすごいのかどうかよくわかんないですけど、フィルムのグランプリ。フィルムってもともとカンヌが始まったところだし、花形ではあるのでご紹介しておきます。ハーベイニコルズというイギリスの高級百貨店。バーニーズニューヨークみたいな感じの高級百貨店があるんですが、そこがやったもので、

  • ショップリフターって万引きのことなんですけど、ロイヤルティーアップですから、ポイントのアプリ、ポイントを稼げるアプリ、買い物するたびにポイントがもらえるアプリのためのCMだと。CMかウェブ動画かな。動画なんですけど、実際の万引き防犯ビデオの映像を使って、実際の万引き犯、ちょっと顔は隠してるんですけど、さんざん映っていて、

  • 最後に、合法的に、ただでものもらえるの好きですか?と。だったら合法的にできる、このアプリを入れましょうで終わるという、そういうものです。(動画を見ています)これは実際の犯罪を犯した人のビデオを使っていますというのが最初に出てました。

  • (動画を見ています)ひたすら実際の映像が流れて最後に、さっきいったメッセージが流れて終わりなんですけどね。

  • まあ、高級百貨店がこういう映像を使ったというのが、ちょっと新しいということだったようです。

  • そろそろ時間なんですけども。日本勢は銅賞以上が46個で、3年ぐらい前に五十何個のときがあったので、なんかよく、今年も不振みたいなことを言ってる人もいましたけど、そうでもない。まあまあかなと思います。

  • ちょっと口頭になりますけど、パナソニックのエネループみたいな電池の広告コミュニケーションで、例えば、チアリーダーをやるとどれぐらい、この電池の3%いってとか、筋トレだとどうとかっていうのをビデオにして、なおかつ、それが入っている電池を売ったりしたというのがデザイン部門。デザインが美しいんですが、グランプリをとっています。

  • それから、「High School Girl?」って見たことある人どれぐらいいます?資生堂のウェブ動画。化粧品の。あんまりいないので、これだけ、あまり解説いらないので、フィルムの金賞とフィルムクラフトの金賞。ウェブ動画ですね。これだけ見ましょうかね。(動画を見ています)

  • この子の見ている本に寄っていくと...。この教室に男子がいたの気づいた?って書いてあるわけですね。で、カメラが戻っていくんです。え、誰だろうと思うと...。

  • この前、フィルム部門の審査員の話を聞いたら、この時点で結構、審査員たちもあれじゃないか、これじゃないかとまんまと罠にはまってたらしい。それで評価が高かったらしいです。これ確か、もう1000万回ぐらい見られてますね。

  • (動画を見ています)答えは全員ですと。罠にかかったのはあなたとラップで言ってるわけですね。

  • 誰でもかわいくしちゃいますということで、資生堂のメイクアップ力をああいう形で表現したということで。僕、アメリカの雑誌のツイッターとかもフォローしているので、結構、これ出たころ...。去年の12月とかかな。非常におもしろいのあるよみたいなことが書かれてたので、海外で受けるかな。

  • カンヌでも金とかいくんじゃないかなとか思っていたんですけど、とっていました。まだ、いくつかあるんですけど、「GIGA SELFIE」というのは、これオーストラリア観光局で、セルフィーがはやってるんだけど、雄大な自然を訴えたいというクライアントの要望と合わせて、

  • ある変なお立ち台みたいな上にのってセルフィーを撮ると、100m先にデータが送られて、自分もいるんだけど雄大な景色の中で撮るというのをオーストラリアの何か所かでやったという例です。これ、いろいろとってました。みたいなことで、もう90分、あと2〜3分なので、僕の話はここまでにしようかと思います。もし、1つ、2つ質問とかコメントとかあれば。いかがでしょうか。どうぞ。

  • (会場質問)

  • ないと思いますよ。ただ、広告って昔のアメリカの広告業協会の定義とかでいうと、完全にマス広告だけを対象にしていて、有料で、人の手によらずなんとかっていうふうになってるんですね。例えばそういう定義とかからすると、広告、アドバタイジング、英語の世界なんですけど、アドバタイジングという言葉が指すものって、従来のマスメディアにおける広告しか指してないので、そうすると、ビルボードを使ってアプリでなんとかやるとか、PRが絡んでたくさん取り上げられたアーンドメディアのこととかが入ってこないので、より広い言葉にしようということで、いい言葉がないのでとりあえずクリエイティビティーにしたんだと思います。なので、全部置き換わるってことはないと思います。まあ、僕は、広告的なものだけど広い意味ということで、日本語では広告コミュニケーションという言い方を好んで使っています。もう1人ぐらい、もしいれば、どうぞ。

  • (会場質問)

  • 皆が賛成しない大切なこと...、ちょっとごめんなさい。質問の意図がわからないんだけど...。皆が賛成しない大切なこと。あの、ちょっと、質問の意図にそのままかどうかわかんないんですけど

  • 結局、データがデータのままあっても、なかなか感じられないので。特に、クリエイティビティー祭なので、そのことは実感として感じられるようなものが評価されていたなという話なんです。単純にバーチャルリアリティーですごいことやりましたみたいなのは、あまり評価されなかったという話です。例えば絵を作ったというのは、そこに絵が出てくるわけで、あるいはその分析して、こんな...。あれは絵の具の盛りとかも分析しているんですよね。高さにして。こんなことをして、絵という、非常に、油絵という非常にアナログなものにも使えるのかというふうに実感できる。それを身体化、実体化みたいに僕は書いたわけだけど。そうじゃなくて、いかにもテクノロジーです、いかにもデータですみたいなのはあまり評価されなかったかなと、そういう意味です。

  • (会場質問)

  • それ僕、研究途中でもあるんですけど、やっぱり、割と古い組織の体制とかを残す傾向があって。それは代理店側もそうなんですけど、広告主側。単純にいうとですね、マスメディア担当とウェブ担当が分かれていて、協業をうまくできない。一緒にコラボレーションできないみたいなことがあるらしく。

  • で、そこは、いろんな企業さんが一生懸命、どうやって統合化するかというのをやっていて、そこがうまく進んでいけば、イノベーションの方向に向かうんじゃないかなというふうに思います。イノベーティブなことに対して反対な人々っているんですよ、いつも。それは、ごく簡単にいうと、自分は20年テレビCMを作ってきたとか、テレビCMのディレクションで成果を上げて、部長になってきたみたいな人は、

  • いまさら俺の得意なテレビCMやめて、よくわけのわからないフェイスブックとツイッターとイベントでみたいなのはいやだなって本音を持ってる人が結構いて、そうすると、あまり動かないというケースがあって。結構あるかな。でも、いろいろです。例えば資生堂さんはああいう試みをやってるし、僕が知ってる中ではキリンビールは、さっきのCSV、マーケティング本部をCSV本部と名前を変えて、デジタル系の...。

  • たぶん、マイクロソフトから何人か中途で採用したりとか、盛んにいろんな試みをしているので、随分変わっていくんじゃないかなと思います。日本のいわゆるクリエイティブ力が低いかというと全く低くないと思います。ただ、そういう業界構造とか、そういうもので、いまいち広がらないところがあるというところかなと思います。じゃあ、そこまでにします。ありがとうございました。