• 皆さん、聞こえますか。大丈夫ですか。講談社の鈴木と申します。よろしくお願いします。もう、6回目だっていうのでもう、だいぶ時がたったなと思いますけれども、私は、皆さんのお父さん、お母さんよりちょっと年上ぐらいかなと思います。1960年生まれで、ことしが2016年ですから56歳。23歳と25歳の息子がいまして、もう卒業しちゃ

  • いましたけどね、今、実社会に出て、ひいこら言ってます。そういう、おっさんがしゃべると思って見てください。それで僕は23歳の年に、講談社に入りまして、もう33年目です。ずっと出版に関わってきました。

  • 最初は、週刊誌。「週刊現代」っていう週刊誌で記事を作っていました。

  • それで6年たったところで文芸局というところにいきまして、小説の編集をやって、いろんな作家さんに出会って、いろんな作家さんの担当をして、本を作って、それで19年ぐらいいました。そのあとですね、編集者で、ずっとやってなかったんですけど、管理部門に行けということになりまして、会社を代表してコメントを出したり、取材を受けたりする広報室っていうところに

  • 行きました。そこに5年ぐらいいまして、今、現職の編集総務局っていうこれは編集、本を作る人たち全員のバックアップでいろんな準備、環境を整えたり、法律的な整備で、これは大丈夫なのかどうかとかってことを全部、みんなと一緒にいい本を作るために名誉毀損があってはいけないとか、本を作る決まりがあるので

  • その決まりを守って作りましょうとか、ある意味、編集者と作家が、野球でいえば、プレーヤーだとすると、僕らアンパイアだったり、球場の整備だったり、ルールブックを作ったり。それから試合の日程を決めたりっていう、そういう裏方の仕事をやってます。33年もたつんで、さすがに出版界の方は、僕の知らないことがあると思いますけど、どうなっていくんだというところをですね、

  • お話ししたいと思います。タイトルは「出版大変革はいまや最終コーナーだ」。これから話すことは出版、今まで出版社が本を作って、それを取次という、本の問屋さんに卸して、そこから全国の本屋さんに本がいきわたっていくというシステムが、正直い言ますと、崩壊しました。ちゃんと、本を届けることが不可能になってます。どういうことかというと、売れないからです。もっと言うと皆さんは、いまや本と雑誌、特に雑誌を必要としない世代、

  • もしくは日本人全体が、もっと言うと世界全体が雑誌というメディアを必要としなくなった、そういうふうに僕は捉えています。ということは、今まで雑誌を売ってもうけてて、僕らもごはんが食べられて作家の方も原稿料がもらえて、本が売れて、印税っていう本一冊一冊に作家さんの取り分があるので、そういうのをお渡ししていたんですけども、そういうシステムが崩壊しているということを、今日はお伝えしたいと思います。イノベーション、湯淺先生の

  • 大好きな言葉ですけども、発明、人間の進歩が、ここまでやってきて、より便利な世の中になってきましたけども、そのことによって、前使っていたものがどんどんなくなってくるんですね。その象徴的な一つの写真がありまして、これ1980年と2010年を比べた写真で、男の子の好きなもの、全部集めたらどうなるの?っていう写真です。1980年、映像が好きで音楽が好きで、ビデオが好きでテレビが

  • 好きっていうやつは、大体80年はあんな感じで、いろんな機器を持っていました。カセット、それからラジオ、トランシーバー、パソコン、メディアでいえばフロッピーディスクとか、いろんなもので記録してました。2010年見てください。これ一個だよっていう。本も画像も写真も動画も、音楽も、みんなこれ一個になっちゃったんですね。これっていうことは、これ作っていたメーカーもみんなほとんど倒産しちゃったってことですね。もう関係なくなっちゃったんで。

  • こういうことが起こっちゃうんですよ。30年で、僕らの人生も、僕らのいろんな楽しみ方も全く変わっちゃったということですね。これって、前のを使ってるのが良いって言う人もいたんですけど、要は便利じゃないから廃れるんですよ。どんな良いものでも便利じゃなくなったら歴史から退場していきます。これは象徴的な出来事ですね。

  • もう一個、たぶんニューヨークだと思うんですけど、有名なイベント、たぶん大きなクリスマスツリーがお披露目になるっていう日の写真なんですけれども、こういうことが起こってます。2005年と2013年。一人だけ、携帯を持ってかざしている人が、2005年にはいますけども、2013年は、全員スマホで写真を撮っています。これどういうことかというと、もうカメラなんか誰も持たないということですよね。カメラは、マーケットから消えた。みんな持ってないっていうことです。

  • 携帯あればいい。もっというと、スマホでいいし、象徴的な写真なんですけれども、こういう形で、皆さんの世の中が、どんどん変わって、要は変わっちゃったんですよね、はっきり言って。カメラ持ってきてる人いないし、ラジオを持ってる人もいないでしょう。みんな、スマホ一個で済んじゃう。そういう便利な世の中になりましたと。これが、今の世の中の出来事で、皆さんは変わっていく

  • なっていうことは実感しません。当たり前です。便利なものに乗り換えただけなんで、過去の不便なもののことなんかすぐ忘れます。それでいいんですよ。それでいいんですけれども、こうやって見ると、あ〜変わったなと、思いませんか?思いますよね。次が、読書環境。変革は誰も変化を意識しない。90年代の電車内風景は、まあちょっとこれ、もっといい写真いっぱいあるんですけど、まあ、僕が手にできたのは、この写真なので、新聞を読んで、雑誌を読んで、あとは目つむってる。

  • もしくは、ヘッドホンステレオの、カセットのウォークマンを聴いているとか、そんな感じで電車の中いました。皆さん、もう見慣れてると思いますけど、現代は、今は、こんな感じ。もう見慣れてるんで、別にこれを見る必要もないんだけれども、こんな感じですよね。新聞も雑誌もカセットで聴いてたウォークマン、初代ウォークマン。ソニーが作った発明ですけれども。みんななくなっちゃいました。結局、これ一個になっちゃって

  • 、僕も持ってますけども。全部、済ましちゃうんですね。電話も、文字のやり取りも、それからワンセグ入ってればテレビも見られて、自分の好きな録画した動画も入って、音楽が入って、電子書籍が入って。それでなおかつLINEとか、いろんな形で、コミュニケーションツールにもなる。こういう世の中になってしまったということの中で、一番読まれてた電車の中で、雑誌も本も、新聞は置いとくとしても、読まれなくなってしまったということは、

  • どういうことかというと、誰もが読んでいた場所に新聞・雑誌がない。あっという間に置き換わった。もう一度雑誌や新聞が、その座に返り咲くことはない。なぜか?便利じゃないから。もう戻ってきません。皆さんのおうちが本屋さんだったり、新聞販売店だったりすると、今のままでは、生活は立ち行きません。出版社もそうです。僕らも変わらないと、

  • 売れるもの、みんなが読みたいものを、今までどおり雑誌にして本にして売ってたら皆さんに届かない。だって買ってくんないんだからね。じゃあ、どこにいくのかっていえば、皆さんの持ってる電子機器に、スマホなりタブレットに飛び込んでいって、僕らはこんなにすごいものを作っているよ、読むとおもしろいよってことをア

  • ピールしていかなきゃだめと、いうことなんですよ。これは、もう始まっちゃったんですね。さっきも言ったけど、後戻りはしません。この流れは止まりません。この中に、どんなプレーヤー、商売する人がいるのかということを一つ、別の、放送業界のほうからちょっと見てみたいと思うんですけれども、

  • テレビを見られなくなったし、皆さんも民放とかね、土曜日の7時に、日曜日の6時半でもいいや、「サザエさん」を見るために家に帰るとかってことはしませんよね、もうね。録画するなりなんなり、もしくはYouTubeとかニコニコ動画にあがってるのを見て、おもしろいという方が多いと思います。もうだから動画接触も地上波とか、そういうテレビじゃなくなっちゃいました。その中から出てきたのが、こういうサービス。見放題サービスってやつですね。ネットの中に大きなクラウドっていうライブラリーがあって、

  • それにアクセスして、月一定の金額を払うと何本でも見られますよっていうことですよね。いろんなプレーヤーがいます。HuluとNetflix、Amazonは、アメリカの会社。dTVはドコモ。TSUTAYAはTSUTAYAだし、楽天ショータイムっていうのは楽天ですよね。こんな感じで、ネットビジネスをやっているやつらがこぞって、このサービスに参入してます。誰が勝つかはまだ分かりません。それが、今は動画の中ですね。

  • もう一個、音楽もいろんな人が聴き放題サービスを始めてます。皆さんの大好きなLINEも、LINEミュージックっていう聴き放題サービスやっています。Appleもやってる。AWAっていうのは、エイベックスがやってる聴き放題サービスですね。レコチョクっていうのもこれも、ネット配信のサービスで、ソニー系の企業ですね。

  • グーグルがあって、また、ドコモのdヒッツがあって楽天の楽天MUSICがあると、まあなんでもこういう形で、デジタルになったエンターテインメントは全部、こういう形で皆さんの前に現れてきています。どれを、サービスを選ぶかは皆さんしだいだし、月500円とか、毎月払って、全部聴くのかっていったら、そんな3万曲とか10万曲の曲、全部

  • 聴くわけないので割に合わない気もします、僕はね。好きな曲を好きなだけ買うっていうサービスも当然あるんですけれども、今はこういうサブスプリクション、ちょっと言いにくいんですけれども、定額制の放題サービスっていうのが大乱立してます。僕らが昔、音楽を聴いたり映画を見たりっていうときは、レンタルCDとかね、レンタルビデオとか、

  • TSUTAYAさんがやっていたサービスだけども、有体物、物で、そのものを借りてきて

  • 一定の期間がきたら返すっていうビジネスで恩恵を受けていました。僕とか湯淺先生が若い頃は貸しレコード屋っていうのがありましたね。

  • だじゃれのような、黎紅堂(れいこうどう)っていう名前でね、

  • 学生がビジネス始めたんですよ。貸していくらで戻してっていうサービスを、当時のレコード業界は考えてませんでした。彼のビジネスを排斥しようとしましたけれども、結局、裁判で勝って、貸して聴くんだっていう、レコードをね、有料で貸すということが、ビジネスとして認められて、こういう形で日本で、レンタルビジネスが根づいたんです。僕らもだいぶ借りました。皆さんも「アンパンマン」とか「しんちゃん」とか、ジブリとか借りて見たと思いますけれども、もう借りなくてもいいわけね。天から降ってくるんで

  • こんな楽なことはない。このサービスをやってた企業の一つにですね、こういうのがあるんですね。楽天レンタルっていうのを楽天がやってました。旧作品、通常50円を1円っていうサービスで大バーゲンをやってた時期もあります。僕も楽天レンタルとかポスレンとかね、結構好きで、買わなくてもいいCDは1枚50円とか、このときは1円で借りられて、またポストに入れ返すだけなのでね。これはいいなと思ってたんですが、このレンタル事業、

  • 楽天のレンタルって使ったことないでしょ?ないよね。この事業は、実はですね、こんなに、おいしいビジネスかなと思ったらですね、ひっそりとことしの8月4日に終了のお知らせが、楽天のサイトに今、あがっています。弊社はDVD、CDソフトレンタルサービスをご利用いただき誠にありがとうございます。

  • このたび楽天レンタルのサービスは2016年9月30日12時を持ちまして終了することになりました。そういうことで、今借りている人は早く返さなきゃいけないし、もうこのビジネスに楽天は見切りをつけたんですね。もうレンタル事業は先がないと、たぶん、どんどん借りていく人が減っているんだと思います。こういう中で今まで、DVD、CD、そうしたものを作って

  • 皆さんに娯楽を提供してたさまざまなレコード会社とか、映画制作会社があるんだけど、もうたぶん、ブルーレイもDVDもCDも売れないんで、楽天レンタルが象徴されるように、こういう物でやり取りするサービスはたぶん、娯楽産業では減っていくんだろうと思います。で、出版界なんですけれども、さて出版界はどうか。本屋さんがどんどん閉店してます。取次っていう、最初言った本の問屋が倒産してます。雑誌の売り上げがピークのときから比べると半減しています。雑誌に広告を載せたがる、広告主の皆さん。

  • 物を売りたい方々の広告が、その出稿の金額がピークのときから半分になってます。考えてみればこんな下がり目のビジネスは早晩、退場すると思って間違いないと、僕があんまり言うのはいけないんですけど、客観的に考えて全部、半分になって、もっと言うと、問屋っていうのが潰れるっていうのは、ビジネスとしてだめっていうことなんだよね。だって問屋さんってメーカーで売れているものを仕入れて、それを売るために書店、小売店に流すわけなんで、

  • 一番リスクがない商売なんですよ、実はね。最後にお金を出して、商品をそろえるのは当然、小売店で、リスクをとって商品を開発するのもメーカーだから、僕らで言えば、出版社。間に入って売れるものだけやり取りして、売れないものは返しちゃうっていう、配本と返品をやってるだけの会社、だけの会社っていうのは失礼だけど。とにかくたくさん物が流れて、売れていけばもうかる商売が、だめになるわけですよ。売り方の工夫をしなくてもいい商売がね。問屋さんが潰れる業界は多分、だめです

  • 。だめですって僕が言ってもしょうがないんだけど。それを、じゃあグラフで見てみましょう。これは、1957年から2013年までの雑誌と書籍の売り上げ額の折れ線グラフです。高い山が雑誌。低い山が書籍ですね、本ですね。ピークがほぼ1996年と97年のところに山があります。これが出版ビジネスの最盛期です。雑誌は、1兆6000億円に届く感じですね。書籍も、9000億円ぐらいですかね。

  • そこを境にどんどんと売れなくなりました。いろいろ小売には、僕が話すだけではない、大きな問題が横たわってるんですけども、まあこの辺りから、皆さんが、雑誌を買うとか本を買って読もうっていう人が、どんどん減っていったっていうことだと思います。もう一つは、少子化もあるだろうし、

  • いろんな形でですね、情報の取り方がどんどん変わっていったんだろうと思います。今の段階で見て、これは2013年ですけど雑誌はね、1兆円と8000億円の間の8000億円に近いほうまで下がってきてますよね。っていうことは、約半分、売り上げもなくなっちゃったし、買う人もいなくなっちゃった。本のほうはまだしぶとくてね、下がったと言っても雑誌ほどの減り方はしてません。

  • 皆さん、そういう意味でいえば雑誌の方がまあ、月に1回とか1週間に1回なんでね。その分そういう情報をそういうサイクルでとることがもう古臭い、鮮度がないのかもしれない。こういうのが大きな意味でいって、出版のだめなところっていうのは、雑誌のだめなところって、よく分かると思います。

  • 次が本屋さんの数なんですけどね、これも、だらだらだらと下がって坂道を転げるように本屋さんは閉店しています。これは1999年が起点になってますけれども、このころは2万2000店ぐらいあった本屋さんが、2014年の段階では1万5000店を切ってるとい

  • うことで、7000店ぐらいが、本屋さんやめちゃいました。やめるってどういうことかっていったら売れないんですよね。売れないのと、例えば、売れないからテナントで入っているビルの家賃が払えないとか、戦後始めた本屋さん、1950年で30歳で始めたら、2000年で80歳でしょう。

  • その間に子どもに継がせるかどうか悩んでいるうちにやっぱりもう廃業だなっていうんで、俺の代はいいけどっていうんで、子どもに継がせられない本屋さんがいっぱいいます。正直言って、子に継がせられない商売っていうのは、だめな商売の典型ですよね。そういう意味で言えば、本屋さんがなくなっていくことは歴史の必然だと僕は思ってます。

  • 本当はそういうこと、僕の立場で言っちゃいけないんだけど、世の中に消えていったものいっぱいあります、小売店でね。僕らが小さいころは、カメラ屋さんと、カメラの現像するお店っていうのが、町々にありました。フィルムで写真を撮って、そのフィルムを感光紙に焼いて、

  • 紙焼きにするって言う商売ですよね。これはもう、デジタルになる前から大きなカメラ屋さんがどんどん量販店が出てきて、町のカメラ屋さんっていうのが消えちゃいました。もう一つ、洋服屋さんっていうのもあったんですよ。テーラーなんとか、とかっていうお店がいくつか町にあったと思うんですけども、これも紳士服の量販店がで

  • きて、どんどん消えていきました。あとはですね、牛乳を朝、宅配してくれるっていう牛乳屋さんっていうのがあったんですけどね、これもみんなスーパーで紙パックを買うようになって、瓶の牛乳瓶でおうちの前に置いていくっていう牛乳の黄色い箱があってそれに入れてくれるっていう商売。先生は覚えてますよね?皆さんは知らないかもしれないけども、牛乳って朝、新聞とかと一緒に宅配してたんですよ。朝の牛乳をね。この商売もなくなって、消えちゃいました。でもそのことを惜しんでる人は一人もいません。だって、次のサービスで、次のビ

  • ジネスを考えた人が便利なものを考えたからですよね。で本屋さんが、こんなふうになってるのは、みんながあってほしいと思えば残るはず。なんでこうなるかって言ったら、いらないからですよね。いらないから本屋さんがなくなっていくんです。次にさっき言ってた、暗い話ばっかりでごめんなさいね、これ現実なんで。

  • 次が、問屋さん。日本出版販売って、これは日販っていうふうに言われるんですけど、小さくてごめんなさいね。次がトーハン。トーハンっていうのは、東京出版販売っていう名前が、略称で東販ってみんな言うもんだから、正式名称もトーハンにしちゃったんですよ。

  • よくあると思いますけれども、例えば長谷川工務店っていう建築屋があるんですけども、みんなが長谷工

  • っていうんで、正式名称も長谷工なっちゃったとかね、そういう感じの一つですよね。それで3位の大阪屋っていうのがありますよね、これで売上高見てもらうと、上の2つとくらべてちょっと差があると思うんですけど、これが第3位なんですよね。でこれCDのも入ってるんで、ちょっと別なんですがこれ5位、これはまあ、出版でいえば4位になるんですけど、くりた出版販売。これもけっこう大きな問屋さんなんです。でその次の7位にある太洋社っていうのがありますよね

  • 。で下に書いてありますけれども、この大阪屋と栗田出版販売と太洋社っていうのが

  • 3つとも経営破綻しちゃったんですよ。さっき言ったとおり、本を出版社から仕入れて書店さんに流すと。それで、なんで、そういう問屋さんがいるかっていうと、

  • 例えば、湯淺書房がですね、なんとかっていう本を5冊欲しいっていうのを出版者に頼むとそれだけの手間で、ものすごい時間かかったり、手間がすごいんですよ。でもいろんな出版社の本をプールしてある問屋さんに頼めば、あるある、すっとこう出せる。一応、形上はそういうシステムに問屋ってなってるんですね。

  • 客注に対応するとかですね、それから雑誌を、全国にほぼ同じ日に発売させるための輸送網っていうのを持ってましたのでね。これが、基本的に赤字に耐えかねて立ち行かなくなっちゃったんです。これ、もうここ10年ぐらいずっとそうでした。なんとか、みんなで支援しようっていうんで、講談社とか小学館っていうような大きい出版社が資金援助をしてたんですけど、もう限界がきて、

  • 出ていくお金と、入ってくるお金が逆転しちゃったら、倒産するしかないので、そういうのをショートっていうんですけど、それで皆さんからお預かりしたお金は必ずお戻ししますといいながらも、それは空手形になって破綻ということになりました。それじゃしょうがないので、大阪屋と栗田は破綻処理をする直前に救済合併をして今までの借金を全部、棒引きにして

  • 大阪屋栗田っていう名前の会社になって再出発してます。でもいろんな出版社と本屋さんは売り掛け金を放棄せざるを得ない感じなので、かっこよく再生したわけじゃないんですけどね。そんな感じで出版界っていうのは今、正直いうと、本屋さんはやってるだけでも、店開けてるだけでも赤字なところが多いと思いますよ。次にさっき言

  • っていた広告。これは媒体別広告費っていうのを調べている会社がありましてね、これも湯淺先生の講義を受けていればよく出るようなことだと思うんですけど、一番上のがこれは、テレビです。ものすごいですね。1兆8000億円にいきかけたところで、どすんどすんと落ちて、ものすごいVになっているところが2008年のリーマン・ショックのときね、世界的に不況になって、

  • 会社という会社が広告、出さないってなったときから、ちょっと伸びてます。ちょっとへこんでますけど、まあ広告の王様はテレビです。今でもね。次にあるのが、新聞ね。新聞に広告、入ってますよね。これは、途中からこれは何年っていえばいいのかな。2000年ぐらいからですね、上がって下がって、あとずっと下がりっぱなし。ちょっと、薄い青い線が途中から出てきて、きゅっと伸びてますけれども、あとで話しますけれども、その次のオレンジのが雑誌ですね。

  • それと黄緑色のラジオを入れて、広告業界では4マスって言ったんですね。マスコミは4つ。テレビ、新聞、雑誌、ラジオ。突如現れたあの線は、インターネット広告です。これが、ほかのとにかく勢いの悪い4つと比べて、びんびん跳ね上がってる。なんで?っていうと、皆さんがインターネットしか見てないからなんだよね。インターネットを見て、インターネットに広告を出せば一番広告効果があるっていうふうに、お金を出す側、物を買ってもら

  • いたい側はそりゃ敏感ですよ。誰もいないところで広告やったり宣伝で、例えば居酒屋の人がお客さんが通ってない間に大声出したって客くるわけないんで。そういうことなんですよね。テレビはしぶといけれども、新聞と雑誌に関していえば、お客さんいないなって見切ったんですね。物を売りたい人たちが。これグラフとしては、下のほうにあるけど、雑誌は半減してるでしょ。なだらかな、直線のように見えてずるずるずるっと、半分になってます。3000億円あったのが、たぶん、今1

  • 500億円を切ってるんじゃないかなと思います。徐々にだけれども、もう広告のマーケットから退場せざるをえない状況になってます。それで、さっき言っていた見放題、聴き放題サービス、雑誌にもですね、インターネット企業の皆さんは手を出してきてます。いっぱいあります。どこが勝つか分かりませんが、dマガジン、月400円税別だったかな、税込みだったかな。たぶん、100種ぐらいの雑誌で、

  • ドコモがドコモの通信網を使って、公序良俗に反しないと思った紙面だけ見られるんです。だから、「FRIDAY」もよくdマガジンで見られるんですけれども、グラビアの女の子のヌードとかは見られません。ドコモの通信の規定に引っ掛かるんで見られませんけれども、ほぼ、すべての雑誌が、今ある雑誌の形で、こうめくって、こういう感じで記事があって写真があってってあるじゃない。その形で、見放題、どの雑誌見てもオーケーと。ファッション誌から情報誌、

  • もちろん週刊誌もあれば趣味の雑誌もあります。dマガジンも皆さん、ドコモじゃなくてもアプリはダウンロードできるんで、お試しでやってみてください。別にドコモの回し者じゃないんですけど。それ以外にもこんだけのサービス。まだあると思います。また楽天あるね。楽天、頑張ってるよね、いろんなところでね。あと、ヤフーブックストアとかね。ブックパスってauだと思います。ブック放題はこれは、たぶんソフトバンクだと思いますけれどもね、こうした形で、読み放題をやって

  • ます。どういうビジネスモデルかっていうと、僕らは紙の雑誌を作りますよね。紙の雑誌を作って紙の雑誌の紙面をデジタル化して電子雑誌にします。それで紙の雑誌には広告とか、いろんなものが挟まって、紙に印刷されて、売りに出されますけれども、これはその中の広告とか、彼らが見せたくないページはあえて外して、それで載せるんですね。でも、紙で作ってるコストで、ちょっとだけデジタルをのせてやるんで、

  • 紙が出ることが大前提なんで、紙の雑誌がなくなったらdマガジンのサービスもなくなるんですよ。だからたぶん、紙がなくなるのがいつか、僕は分かりませんけれども、過渡期のサービスだと思ってください。今、紙があって電子で読めるよっていうのが読み放題サービスの肝なんですよね。これをどういうお金の配分になっているかというと、dマガジンならdマガジンに月400円払う人が多ければ多い

  • ほど、全体のお金のプール、大きくなりますよね。そのうち「FRIDAY」見たいなって、ぽちって押して、「FRIDAY」を開いて見る人、それを全部、ドコモがカウントします。全体のうち、どの雑誌を見たかでドコモの取り分をとったあとの、諸経費を取ったあとの、みんなで分配するお金のパイがありますね。それを見た数だけで切り分けてくれるんですよ。

  • ですから、はっきり言って配信業者が一番おいしいところを取って、僕らは、それに群がる...。群がるって言っちゃいけないね。雑誌を提供してる立場ということになります。だから、これはうまみがあるのは、dマガジンをやって、お客さんをいっぱい集めたドコモが一番うまみがあるんですよ。ばくちと一緒で、ばくち・・・あんまり言っちゃいけないですかね、こういうのね。賭場を開いてばくちをやらせる場所を作る人がもうかるようにできてるのね。

  • パチンコもそうです。競馬もそうです。だって、競馬ってみんなで掛け金かけるじゃない。最初に1割5分とっちゃって85%のお金をみんなで取り合ってるだけだからね。だから、もうかることなんてありえないんだよ。ずっとやってたら1000円かけたら、850円っていう配当にな

  • るようになってるの。分かる?言ってる意味。まあ確率の問題ね。自分が大勝ちすることもあるから別だけども、基本的にそういう制度設計、これも一緒ね。最初にドコモがとっちゃったあとのをとるので、ドコモさんが一番dマガジンのユーザーを増やせば、僕らももうかるけれども、それ以上のことは起こらない。次なんですけども、もう皆さんもちょっと分かってるかなと思うんですけども。こういうサービスが、今度は本の

  • 読み放題サービスが始まりました。Kindle unlimitedっていう。これは8月の3日にスタートしたかな。ちょうど、象徴的だけども、楽天レンタルが終わったころに、このサービスが出てきたわけですよ。このサービスはね、今、お試し期間中で読み放題サービスを始めました。講談社も1000冊ぐらい出してます。そのうち、1巻目は無料っていう

  • サービスでいろんな電子書籍に、コミックの第1巻・・・30巻あるような漫画の1巻だけ無料でお試しで読んでいいよっていうのもいっぱい出してるんで、Kindle unlimitedのためだけに無料の本を出しているわけではないので、そんなに大変なことをや

  • っているわけじゃないんですけども。この時期にKindleは、このサービス、大当たりしました日本で。実は8月3日に初めて、ひと月なんですけども、途中でどんどん読み放題に出した本を隠してます。なんでだと思います?読み放題で、みんなが読みすぎちゃって無料お試し期間に出版社に払うお金がなくなっちゃったんですね。今どういうことになってるかというと、ちょっと細かい文字で恐縮なんですけども。スタートした通販大手Amazonジャパンの電子書籍読み放題

  • サービス、人気のある漫画や写真集などがラインナップから外れ始めた。サービス開始に合わせて多くの書籍をそろえようとしたアマゾンが、出版社に配分する利用料を年内に限って上乗せして払う契約を締結した。しかし想定以上の利用が続いて負担に耐えきれなくなり、利用の多い人気本...みんな読みたい本を、ラインナップから外し始めたとみられる。そういうわけで、どんどん今、人気本が外れてってます。

  • (オフレコ)

  • (オフレコ)

  • タレントのグラドルの...。10ページ見るなんて簡単な話じゃない。100ページもあるような写真集とかないけどね。そうなると、最初から持っていた原資がその高い写真集のダウンロードのおかげで、どんどん消えていっちゃったんだね。もうこれはたまらんっていうんで、人気のある本からどんどん消していったっていうのが今の真相です。漫画も、本を読むより漫画を10%読むほうが簡単だよね。吹き出

  • しにある文字なんて少しなんだし。絵を追っていきゃいいのでね、人気のあるコミックもなくなってる、でみんな怒っています。僕らは作家の皆さんにお試し期間は10%読まれると、1冊分入りますから

  • (オフレコ)

  • 勝手に下げるとは何事だということで僕らは今、怒ってます。こんな書き込みがあります。アマゾン読み放題サービスの人気作新の配信停止問題。電子書籍の弱点のような出来事だ。物じゃなく読む権利を買うことはいつだって権利を剥奪されても文句が言えないってことなんだよなと。そうなんですよ。これものを買ってないからね。読んでいいよっていう権利をアマゾンがくれているだけなんで、俺たちに下げる自由があるっていわれたら、

  • そのとおり。電子書籍全体に言えることですけども、電子書籍で1冊ダウンロードしても途中で読めなくなる可能性があります。なぜか?僕らは、普通の紙の本を買えば、自分の家に置いておけば、この本をなくしてくれってことは出版社も著者も言ってきても、それは所有権も移ってるし、そんなことさせられないし本をずっと、例えば、名誉毀損でものすごい問題になった本でもその本を持ち続ける自由もあれば

  • 、できるんですけれども。配信だと、まずいなというふうに配信している側が思えば、その本は、自分の書棚から消えることがあります。それが一つ、こういうことに関しての危惧の一個かなと思います。あるように、供給する側のさじ加減でサービスの内容が変わるから、電子書籍は普及しないと思うと。僕は普及すると思いますけれども、これは、見放題でも聴き放題でもありえる話かなとは思います。今は大丈夫な例えば、映画で

  • もね、これは差別的だといわれた瞬間に、その映画が見られなくなる可能性があるし音楽もこれは実はヒトラー礼賛の曲だってあとで、裏の意味が分かったなんてときはね、聴けなくなる可能性もあります。一時期、古い話なんであれなんですけども、「世界に一つだけの花」の槙原君が大麻で捕まって、突如CDが自粛して売らなくなったとこがあるんですよね。でも音楽と、本人が大麻をやったことって別かなと僕は思うんだけれども、

  • 犯罪を犯した人間は、そのものを売らないということになって、一斉にマーケットから消えたことがあります。それと同じようなことは、電子では・・・店ごとに俺は売るよっていうことはできたんだけども、すべてが電子になると、そういうことが起こんなくなるかなと思います。それで、うちの会社に起こったことと、Appleがしでかしたことの2つがあるんですけれども、これも、だいぶ前に話して、ここの最初のころに言ったと思うんですけど、2010年の例なんですけど、「

  • 働きマン」っていう安野モヨコさんの漫画。これ、編集者、雑誌編集者が徹夜してふらふらになっても働くっていう漫画なんです。すごくいい漫画。これが4巻まで配信したら、突然、5巻がiPhoneの「働きマン」って電子書籍じゃなくてアプリ、アプリで売ってたん

  • だけど、5巻から売りませんっていうふうに通達があって、なんで?っていっても、話してくれないんですよ。これ、「働きマン」の主人公の女の子が、疲れたのでマッサージに行くんですね。背中をマッサージして、何かが電話があったんで、ぱっと起き上がったときにぱらっと胸が見えるんですよ。おっぱいが出たっていうんで、日本語分かんないから、Appleのアメリカのクパチーノにいるみんなはね。それでNGということで

  • 5巻目からは一切、配信が不可能になりました。今どうなってるかは僕も調べてないんであれなんですけれども、アメリカのAppleという一流企業が、日本の漫画文化のなんたるかも知らないで、ただおっぱいがちらっと見えただけで勝手に消すということが、配信事業者の思いどおりになるということがあります。こういうのは僕も心配です。

  • もう一個、大谷和利さんっていう方が、

  • 「iPhoneを作った会社」、「iPodを作った男」っていうのをアスキー新書で出したんですけども、2010年の段階ではAppleでは売ってくれませんでした。理由をいうと、元社員であろうと、Appleの社員に関わるものは、製品にかかわるものを批評するものはAppleで売らないということを当時、言ってたようです。今もこれ、読めるのかどうか僕も確認してません。2010年の段階でこの本が...紙の本では売れてますよ、別にApple関係ないから

  • ね。こういう形で、一つの大きなネットワークの会社があらゆる見放題、聴き放題、読み放題、大きな会社が一つを占めていくと、独占の弊害っていうのはこういうところに表れるかなと思っています。僕らはさっき楽天って何回か写真に出したけれども、日本で、日本の皆さんの感性とか漫画家さんの感性とかが分かる配信事業者にちゃんと育ってほしいなと思っています。それがないとね、正直言って、イスラム圏に行ったら女性なんて髪の毛も見せちゃいけない文化の中で生きているわけだ

  • し、キリスト教の人たちは、異教徒が胸に十字架がぶら下げているなんて、ありえないわけね。日本人はファッションでみんなアクセサリーで十字架の、アクセサリーやるじゃない。そういうのが漫画にあると、これは邪教的だとかって言われて配信できない可能性があります。一番心配してるのは、「モーニング・ツー」で連載して

  • る「聖☆おにいさん」ね。イエス・キリストと釈迦が、立川で下宿しているっていう漫画なんだけど、どう見ても危ないなっていうか、考えてみればすぐ分かるんだけども。キリスト教世界で受け入れられるのかなとかね。ムハンマド出してないんで大丈夫なんだけど、そういう意味でいうと、日本っていうのは、こういう宗教のカリスマってういか、開祖たる人たちも漫画の主人公にしてちゃかす、ちゃかすっていうとオーバーだけれども、批評の中でおもしろがれちゃうっていうのが僕ら民族のおもしろいところ。こ

  • れが売れちゃってるっていうのもおもしろいところなんだけれども。じゃあ、世界の宗教批判でこれが受け入れられるのかどうかっていうのは甚だ疑問。Appleとグーグルと、Amazonだけになったら「聖☆おにいさん」に限らないけど、日本の固有の文化でできてる漫画がどうなるのかなっていうのは本当に心配です。心配ですって言ってもしょうがないけどね。じゃあ出版って、なんなの?って話なんですけれども

  • 出版、英語でパブリッシング。販売・頒布する目的で文書や図画を複製し、これを書籍や雑誌の形で発行すること。これは基本は、紙から電子になってもたぶん変わらないと思います。僕らは、

  • 1909年に会社ができて、大正時代ですけどね、ずっと、作家と挿絵家と漫画家と、ずっと本を作ってきました。彼らが利益が最大になることを目指しています。いっぱい、本を売って買ってくれるってことだけどね。そのためなら、なんでもやりますっていうのが、講談社がここまできた大きな理由です。それで、読者に娯楽、教養、知識の伝達を通して文化の向上に貢献したい。ちょっとかっこつけてますけども、

  • 例えば、「セーラームーン」がなくて、今まできちゃったらどうなのとか、村上春樹さんの「ノルウェーの森」が出版できなくて、今があったらどうなのって考えると。2つとも講談社ですけども、僕らはそういうものを読んでみて、アニメになって、それで今の僕らがここにいるわけなんで、ないことは想像できないとすれば、こうした形で、講談社の作ってきたものがみんなの頭の中でおもしろかったとか、楽しいとか、最近だったら「進撃の巨人」とかね、あれって諫山さんが、自分でおもしろいと思って描いて

  • きて編集者がこれいけるよって言って、あんな下手くそな絵だったけれども、そうしたら、こんなことになっちゃって、僕らも大もうけして給料もらってるけれども、その分、全員みんな楽しんだわけだしそういう文化のサイクル、そういうものをこれからも続けていく自負が僕らにはあります。でも紙のマーケットが、なくなっちゃったんだよね。なくなってはいないんだけども、どんどん縮小しているのは事実だから、これに代わる形で皆様に娯楽を届けなければと、もしくは教養を届けなければと思ってます。

  • 講談社の社是は「おもしろくてためになる」と、これ今、商標登録中です。ちゃんと取れるかどうか心配なんですけれども、いろんなところでね、小学館が「おもためブックス」とかはじめてきたんで社長が、ちゃんと取っとけと言われたんで、われわれで必死に取ろうとしてますけども、もちろんおもしろいとか、ためになるだけでもいいんだけれども、どっちも合わせて皆さんの生活と娯楽の向上に努めたいと思ってます。もちろん紙じゃないサービスもいっぱい始めてます。書店取次が衰退したら、次は出版社が

  • 変わらないと生き残れないと。mi‐molletっていうのは女性のファッション、それから生活、生き方のためのサービスです。mi‐molletって入れてくれて、見てもらえば、どんなサービスかスマホからも分かると思いますけれども、これは、大草直子さんっていうファッションコーディネーターの方が責任編集をしてるところで、正直いうと、40歳のおばちゃんのサイトです。皆さん、関係ありません。けれども、そうした形で、スマホファースト、

  • タブレットファーストで情報を発信していこうと。ここでたまったものを紙の本にしたり、電子書籍にしたりということで、こうした形で、新しい雑誌に変わるメディアを作っていこうと思ってます。真ん中、「クーリエ・ジャポン」っていうんですけど、これもずっと10年以上、紙の雑誌で月刊誌で出してました。どんな雑誌かというと、

  • ちょうど、皆さんが卒業して20代のサラリーマンになって世界の中で俺はどういう仕事をしたらいいのかとか、新しい教養を身につけて、自分がプラスもう一つ何か武器を持ちたいとか、ヤングエグゼクティブサラリーマンのための前向きに生きるための情報雑誌。これもウェブに全部切り替えちゃいました。紙の雑誌を、ことし2月でおしまいにして、すべてウェブにしました。今、クーリエがやってるのは、地方にクーリエ編集部を持っていって、ひとつき、全員で住んで、ネットでやり取りしながら、地方活性化

  • のために出版編集部が地方へ行きますっていうのを展開してます。徳島行ったり、この前はね、つい最近は知床の付け根の斜里町っていうところに編集長が行って、雑誌を作ったりしました。

  • そういうので、みんな、おもしろいと思ってくれればいいかなと思ってます。最後、「ゲキサカ」ってやつですけど、これはもう、サッカー少年は必ず見ています。高校サッカーから中学校のクラブサッカーからワールドカップまで、すべてのサッカーの情報が、ここに詰まっています。1億ページビューってえばってますけれども、いまや、「サッカーマガジン」とか「サッカーダイジェスト」みたいな

  • 紙の雑誌よりも、サッカーをやってる高校生は「ゲキサカ」しか見てません。そういう意味でいうと、まだまだもうかってはいないんだけれども、サッカーとともに、こういうネットサービスで世の中を盛り上げていけばね、どっかで「ゲキサカ」を見て、Jリーガーになってくれた子たちが出てくれば、どんどん宣伝してくれれば、「ゲキサカ」に集まってくるサッカー関連の広告とか、さっき言ったように、インターネット広告ってこうやって伸びてるんですよ。そういう

  • ところに僕らも分け入って入っていかないとだめなんだなと思っています。もちろん紙のビジネスを捨てたわけじゃないんで。さっきも言ったけど、雑誌だって1兆6000億が8000億になっても、8000億円のビジネスなんで、これでかいですよ。すぐ、昨日、今日ですぐなくなるわけじゃないんで、紙の本も紙のビジネスも頑張ってます。単に漫画や小説を出すだけじゃなくてさまざまなグッズを作って売って

  • いこうと思ってます。「ちはやふる」。映画にもなったしアニメにもなって、すごく、広瀬すずちゃんかわいかったんですけども、百人一首なら百人一首の暗記カードを作っちゃえっていうんで、講談社で百人一首の暗記カードを作って

  • 末次先生が監修してもらうと。「忘却探偵」っていうのは、西尾維新さんの「掟上今日子」っていう小説なんですけども、これも日テレと組んで、主人公がガッキーですけれども、テレビドラマになって、本を売るためには映像の相乗効果でやっていこうと思っています。その下は「セーラームーン」の武内直子先生のアメリカ版かな。

  • アメリカの漫画好きの人は、普通、横書きなんで、左開きでしょ。アメリカの本って、日本の漫画だけは右開きなのよ。右開きで読めるよう...漫画っていうのは右開きで読むっていうふうに、みんながなってるようです。これが右開きか左開きかは覚えていないんですけども、「セーラームーン」はアメリカで大人気。ものすごいファンが多いです。アメリカに武内先生がちゃんと描いたオリジナルのカバーの絵で、今十何巻でてますけど、1巻ずつ10万部ぐらいいってます。最後「おおきく振りかぶって」っ

  • ていう「アフターヌーン」でやっていた漫画なんですけども、ユージンっていうガチャガチャのメーカーとタイアップしてキーホルダーを作ったりしてます。本を作って売るだけ、本屋さんに並んだら、ビジネスが完了と、みんなが読んでくれて評判になってベストセラーになるということはもう、一切なくなったと僕らも認識してますので、そういう形でビジネスをやっていくし、皆さんがおもしろいと思うものをどんどん作っていこうと思ってます。最後は、僕の決意表明ですけれども。これまでの出版会は、

  • さっき見たように、売れないんだから続かない。新しく出版を再定義しなければダメ。もう、たぶん最終コーナー。まだ紙を買ってくれている人たちが1兆6000億から8000億に戻っても、まだ半分いるうちに変わっていくことをしなきゃだめと。僕らの強みは、講談社でいえば100年やってる。作家、漫画家、それから学者さんとかいろんな方に、ちゃんと本を届けてみんなに読んでもらうという仕組みを作ったこと。

  • もしくは講談社の本だからっていう信頼を読者のみんなから、もらっていること、それを大事にしていきたいなとこれからも思ってます。だからこそ、ベストセラーや記憶に残る作品を生み出してきたんじゃないかなと思ってます。最後なんですけれども、出版にこだわった「おもしろい」、それから漫画、「ためになる」情報、紙にこだわらず、さまざまな形で出していきたいなと思っています。みんなは紙の本を懐かしがったり、紙の雑誌を消えていくのかなと思

  • って、ノスタルジーで見てもらうのは、そんなことしなくていいです。SLが、みんな、ノスタルジーでたまに走ると喜ぶけれども、あんなもの煙出して走られたら世の中たまらないわけでしょ。そういう意味でいうと、雑誌は重たいし、余分な情報いっぱいあるし、ひとつき前の遅れた情報が載ってるわけなんで、はっきりいって、皆さん、特に女の子のファッションの情報とかメークの情報では古い。

  • 付録がついてれば買うけどっていうことで、中身の情報そのものの鮮度はネット由来の情報に勝てません。もっというと皆さんはLINEをやったりして個人個人のコミュニケーションのほうが重要になってる中で、僕らが今の女の子は、こうだって決めつけて情報出していくことが、やっぱりちょっと、時代に合ってないのかなと思ってます。それで、町の口コミのケーキ屋さんがいいとか、そんなものまで全国で売ってる雑誌ではフォローしきれない。そうなっていくと、ネットメディアが一番いいのかなと思います。

  • どうした形でさまざまな情報に関する欲求を出版社がすくいとれるか分からないんですけれども、今のままでは立ち行かないなということでは、会社の中、全員が一致してます。以上、ここまでで約1時間ちょっとお話ししましたので、僕の講義は終わります。皆さんにお願いしたいことっていうとオーバーですけれども、情報を自分の意思で取捨選択して、自分のためになること、

  • おもしろいと思うことは、欲求に従ってくれればいいです。ちょっと前まで僕は、本を買わないと漫画の文化滅びるよとか言って脅してたんですけども、もうそういうことを言うほど、本はたぶん、終わっちゃったと思う

  • ので、皆さんに合わせて僕らは情報を発信し、娯楽を発信していくことをやっていかないとおしまいになるという、50過ぎのおっさんの危機意識をここで話しておしまいにします。おつかれさまです。どうもありがとうございました。(湯淺)鈴木さんの定点観測的に、第1回から、去年はメディアミックスの話だとか。最初あの、電子書籍の話なんか、いろいろお話聞いているんですけども、今日かなり深い話ですね。さっきの

  • (湯淺)Amazonの件だとか、ネット系のそういった配信プラットフォーム事業者が、しかも外資ね。独占化すると、どういう弊害が出てくるのか。文化の多様性というのはあるわけじゃないですか、そこが損なわれてくるっていうところがね、いろんな問題があるということで、個人的にそう感じたんですけれども、本当に出版が従来のままでは

  • (湯淺)立ち行かなくなったということの、大転換していかなきゃならないという意識、意識も変えていかなきゃならないということで、求められる人材も、求められるじゃないけど、どういう人を講談社さん、出版業界は、こういう変革の時代にどういう人に来てもらいたいって、それを、ちょっと。

  • 基本は、本と漫画と雑誌と小説、なんでもおもしろがってくれること。コンテンツっていうのは、感性なんで、まずおもしろがってくれるっていうことを、きらきらしゃべってくれればいいわけ。器っていうのは変わっていくわけじゃない、本だったり雑誌だったりネットメディアだったり。根本は、何が楽しいかってことを自分でいつも思ってくれる人。

  • それも、人の受け売りじゃなくて自分からこれはおもしろいって能動的にさまざまな作品に接してくれてることがあれば、根本は一緒なので、うんと昔の、文字がない時代は、口伝でしゃべってたけど一番、おもしろいのだけ残ったか

  • ら、ホメロスになったりしたわけじゃない。だから、みんなもおもしろいと思うものに積極的に関わってくれるっていう感性を磨けば、あとの入れ物は時代、時代によって違うんだから、それに合わせて自分たちがこう楽しみたいと思ってくれればいいと思うので、技術は、あってに越したことはないけど二の次です。おもしろいと思って例えば、面接でこれが好きなんですよって

  • きらきら話してくれれば、僕らも身を乗り出して、しゃべって、こういう子が部下に来てくれるといいなと思うだけ。テクニックで、電子書籍のメーカー、何軒か知ってますとかいうことなんて全然、関係ない。入ってからすぐ覚えることなんで。こんな感じでいいでしょうか。(湯淺)ありがとうございました。まだちょっと時間、50分まで時間がありますので皆さんのほうから...。

  • これは、キャッチフレーズなんで外れてるのも、いっぱいありますよ。だから町のホットステーションっていってさ、別にほっとしないものが売ってるコンビニだってあるわけじゃない。

  • あなたとコンビニって、1人で行ったっていいんだしさ、おもしろい、ためになるっていうのは本と雑誌の持ってる形態が、一番、原初的、プリミティブな形としては読んでためになったなと、読んでおもしろいってこの2つしかないよってことを直感的に初代の社長が考えたということだと思います。だから、外れるもの、いっぱいあ

  • るよね。恐怖小説なんて読んで怖いんだからさ。でも、それも娯楽の一部じゃない。だから、みんなが手に取っておもしろいと思ってくれること。読んだあとで、どこかが騒いだかどうかは別だけれども、うんと昔はさ、女性雑誌ってかならず、編み機とかね、ミシンの型紙とか、そういうものがあったわけ。だってみんな服、買えなくて、自分で布買ってきておばあちゃんの世代は服、作ってたんだよね。ミシンメーカーとか、編み機メーカーっていうのは、ものすごいメジャーだったんだけども今、日本にはミシンメーカーなくなっちゃった、みんな、ミシ

  • ンやらないから。同じで、そのときそのときに役に立つものを出すのが僕らの役目。今だったら、どういうことなのかな、LINEの裏技とかさ、分かんないけど、なんでもいいです。そういう形で、ちょっと背中のかゆいところ、手の届かないところにある、ツボを押すみたいなのは情報としは一番いるのかなと思います。お金出して、おもしろいと思ってくれなかったらしょうがないんでね。ぶっちゃけちゃうと。

  • 最近、図書館で本を入れられるとね、例えば、宮部みゆきさんの本を5冊、ある図書館が購入されて、その貸し出し待ちが1冊につき150人とか300人とかいうことになると、そんだけ売れたじゃんって、なんかちょっと思っち

  • ゃうんだけど、それに敏感な出版社もあります。貸し出し猶予ということを言っている出版社の社長もいますけれども、僕はね、ちょっと本が高いのかなと思うところもあ

  • るし、読みたいってことで、図書館で待ってくれる人がそれだけいることは逆に読者のすそ野は広いなと思うので、そこに目くじらを立てて、売れない売れないということの理由探しにはしたくないと僕は思ってます。だから、本を図書館が入れて、みんなが借りたいと思うことは読者がいっぱいいるということだから、逆に潜在的にはありがたいなと思ってます。どっちも、もろ刃の剣なんだけどね、これね。

  • みんなの喜怒哀楽が変わっちゃったら、太刀打ちできないので、喜び、怒り、悲しみ、泣くっていう4つの感情がずっと一緒であれば、たぶん変わらないと思います。新しいことを知りたいと思う、知識の欲求があるうちは、僕は本はなくならないし、雑誌もなくならないし、

  • 漫画もなくならない、形は変わると思いますけど。ただ、それを担う役がね、出版社のままでいくのかどうかちょっと分からない。今、あんだけネットサービスをみんなが、こぞってエンターテインメントの、さまざまなコンテンツに参入してきて、うちが流す、うちが流すって草刈り場状態になってる。でも、そこにもいろんな才能が集まってくるだろうし、ユーチューバーなんて、僕らが想定しなかったクリエーターも現れているわけなんで、そういう中で

  • 新たな娯楽が生まれるだろうし、みんなが、それを、そうだからといって摂取するわけじゃなくて、おもしろいから見るだけの話。それが、市場の動向っていうのかな、人間全体の日本全体のメディアの動きになってくんだと思います。だから本屋がなくなって寂しいとか思わなくていいですよ。本屋さんがやってる人は関係あるけれども、そういうも

  • んだから。と思っています。(湯淺)ありがとうございました。本日、無事といっていいですか、第6回のメディア・イノベーション講座を終了します。皆さんこの2日間、6講座をよく聞いていただいて、で聞いただけではなくて、これからの皆さんの学ぶことも、社会できっと役立つことがあるかと・・・ことを期待しています。本日はお忙しい中、ありがとうございました。

  • (湯淺)皆さん、改めて拍手を。【鈴木】どうも、ありがとうございました。           出版大改革はいまや最終コーナーだ1