• イノラボの鈴木と申します。きょうのメインのお題がブロックチェーン×農業ということで、ちょっと前段に別途、タイトルに入れてありますVRの転移を解消するようなアプローチを一つ見つけましたので、こちらをご紹介します。(映像を見ています)

  • ReverseCAVE自体はですね、今のメインのお客さん、想定しているターゲットが映画業界などのVRのモーキャプをやられるところですね、監督が見ている画面、ディレクターが見ている画面っていうのはどうしても2次元のガラス面になってしまって、実際演者さんはですね、いろいろセンサーつけて演じているわけですけども、2次元で確認しているわけで、ちょっと尻尾のあたり具合とか、そういうところが見えないと。

  • そういうのを奥行きを生かして、VRのコンテンツを作っていくためにリアルタイムにステージが出来る仕組みとしてReverseCAVEを提案していまして。これは先日のシーグラフで出させていただいたんですけども、筑波大学の落合陽一さんのところと一緒にやっていまして、研究ブロンズ賞をいただいたやつです。

  • 私たちイノラボはそういう国内で生まれた技術がどの業界に生かせて、かつ、その業界でどういったマーケットを築けるかっていうところを一緒にアカデミアの人たちとお話していったり、あとは一方で逆パターンで、海外で生まれてくる先進のテクノロジー、今回お話しますブロックチェーンもそうなんですけど、日本だと、どうしてもフィンテックっていうイメージが強くて、ビットコインで仮想通貨でってなってしまうんですけど、実際にブロックチェーンっていうのはビットコインをコインとして使うわけではなくて、非金融分野に使ったほうがよっぽど本来の思想と合致していますので、そういうところを国内で市場形成していくためには、どこがどう組めばいいか。その際にどういったビジネススキームが考えられるかというところを一緒に考えていきたいという、そういう組織になります。

  • きょう、お話させていただく目的はやっぱり、きょう農業をやりますが農業以外にも大事な抗改ざん性ですね、ブロックチェーンが持っている改ざんが不可能だという機能だとか、それからザ・民主主義といわれているような民の集合知を生かした意思決定とみなされていますので、そこにふさわしいサービス領域と、そこを事業者の皆さん、意見交換をしながら、新しい対象領域を見つけていければなと思っています。

  • まずは先日行いました宮崎県の綾町というところで実証実験したんですけども、それに至った社会背景とか生産者・消費者のそれぞれのペインというところからお話したいと思います。

  • まず消費者のペインですけど、消費者ペインは分かりやすくて、まず「かにかま」は「かに」なのか問題というのがあると思うんですね。われわれ日本で育って日本で「かにかま」食べてきますと、「かにかま」と言われたら、それは「かにかま」であって、「かに」じゃないって分かっているわけですけども、フランス人とかアメリカ人が見ますと、「かにかま」をどう訳せばいいか分からないんですよね。かに風味であるということで納得してもらうしかないんですけども。

  • 一方でコンビニでよく出ているツナと卵のサラダ。ここに入っている卵の黄身と白身のバランスがすべて一緒だというのを問題視するべきか、しないべきかというところもあると思うんですよね。

  • (映像を見ています)これは製造工程なわけですけど。中央にあるのは黄身です。周りを囲っているのが白身ですね。日本の場合、主にこういった業務用のロングエッグというもの、賞味期限はやたら長いんですけど、こういうものを許すか許さないかって、これも人によっては嫌だなって思う人もいますし、よくある中食外食業者が先ほどのコンビニもそうですけど、卵を出しているところを見て、その業者のクオリティーを判断するみたいな新しい評価基準が生まれていたりします。

  • こういうのがあって、ただここまでは、ものは本物ではあります。かに風味とはいえ、たらのすり身を使った、かまぼこでもあるし、卵も黄身も白身も一回、分離されているけれどももう一回戻していますから本物なんですけど、ここから先は結構、怪しい。

  • フェイクフードと言われている食品ですね。オーストラリアで一番問題になっているのがチーズ。これがフェイクのチーズなんですけど、乳製品を使っておりませんと書いてあるチーズが出てて。(映像を見ています)映像の出演者の発言「実際はね、この中にちょっと魚臭い、魚エキスが入った水を入れて、その中にまたサラダ油、目玉になる濃い色のサラダ油を入れています。それをコンピューター制御でストローが三重ぐらいになったら作るんですね。これは外側の原理です。おもしろいでしょ。」

  • おもしろいですけど、これ実際に日本で売られている魚卵状食品というやつです。業務用スーパーに行くと普通に一番大きな棚を使って売っているメジャーな商品のようなんですけど、実際一瓶500円ぐらいで売られていたんですけども。

  • もちろん、いくらではないんですが、いくらと表示されて売られているケースが結構ありまして問題になる。それはたぶん違法な話ですね。だからこれを売ること自体、問題ではないんですけど、業者さんがこれをいくらとして表示した瞬間に悪い人になっちゃうやつですね。

  • 先ほどの動画はですね、結構YouTubeで中国語の字幕がついて出てきますけど、これを作っている製造工場の従業員の教育ビデオになっているということです。(映像を見ています)インドの人のことばで、いろいろ解説が...。これは「フェイクエッグの見破り方」っていうビデオなんですが、殻も、中のですね白いシートも、すべてプラスチック製でして、中身の卵も人工化学物質で食品ではありません。これも同じくオセアニア中心に出回っていまして、10個で1ドルとかで売られているんです。

  • 焼いたら普通にサニーサイドエッグが出来上がりますし、混ぜても普通に卵と同じ化学反応をしますが、ただただ消化されずに出ていくだけって業者は言っていますけど、味も全く卵なので、これを食べちゃうとお客さんとしては卵を食べた満足感が得られます。業者さんとしても10個で1ドルですから相当安く手に入るという、いいとこ尽くしの食材なんですけども。これ、いろいろ調べれば調べるほど、フェイクフードって奥が深くて闇が深くて。賞味期限とかそういう関連すら通じないとかですね、栄養以前の問題で、いろいろ大変だなというのがあって。

  • これから私たちが食に対してどういう取り組みを今後していけばいいのかって最初考えたんですけど、やっぱり安ければいいとか、お得ならいいっていう人はいると思います。その市場はその市場であっていいのかなと思うんですけども、アレルギーをお持ちのお子さんがいる家庭とか、どうしても正しい製造工程でないと給餌できないというような環境があるはずですので、そこに向けて正しいマーケットに正しい価格設定でまっとうな業者さん、生産者さんを巻き込んでいきたいなというところで始めたのが、今回の有機農業の里である宮崎県の綾町というところの野菜を結構まっとうにやられている農業。

  • 日本で初めてですね、自然生態系を維持するための町条例を作って農業をやられている町でしたので、そちらの野菜を今、近郊市場ですね、九州を中心とした既存の市場では頑張っても、1.25倍でしか売れないようなマーケット構成でしたので、そこを改善していこうということで東京に持ってきて、ロジスティクスなども含めて2倍売れば生産者の環境改善につながりますので、それを試みたっていうプロジェクトになります。

  • 採用した技術がブロックチェーン技術となりますが、ブロックチェーンがなぜ今、こんなに言われているんだろうっていうことを、海外と日本の解説はかなり温度差がありますので、私のほうでちょっと結構、平たく解説してしまうと、もともとはWeb2.0、梅田先生が以前出された「ウェブ進化論」ですね。

  • これ2006年、この辺りから日本でもWeb2.0と言われてきたと思うんですけど、そちらの中で先生が文章・写真などのコンテンツ・表現行為というのは、誰がよいものか、それを評価するかというのを、これまでの権威層ではなくて、先生が言っていたのは大学教授、新聞記者、評論家などではなくて、甲子園に進むための高校野球予選みたいな仕組みによって、評価がされてくるようになるよ。

  • そのときに出てきていた事例としては、eBay、オークションサイトの出品者を評価します、落札者を評価しますっていうのは星のつけ方ですね。こういうところをもって、インターネット世界における特徴、利用者が参加するオープン志向であると。

  • そこには背景としてフラットでオープンなインターネット世界、これがどんどん現実世界に侵食、羽化的な侵食をしてきているわけですけども、それとかですね、インターネット利用者、それぞれが対等な立場になっていくんだと。出品者もいつか落札者になりますし、落札者も出品者になります。スポンサーが対等な立ち位置だったと。それからオープン志向に関しては多くの参加者が自身の有する情報を出したいという動機に正しく設計がなされているので、動機設計上、無理なくコンテンツの連携が続くと。ウィキペディアでしたり、あとはソーシャルブックマークといわれるいわゆる「いいね」というライクボタンを押してコンテンツがシェアされていく仕組み。こういうところが最近ではメジャーになってきた事例かなと。

  • こちらは2008年ぐらいに私のほうで連載していた記事なんですけども。ちなみに同じ連載の中で、「今はANA派にすべきかJAL派にすべきか」みたいなポイント論とかもですね、ポイント交換マップとか使ってやっていて、そのときの一番大きな勢力がTポイントさんだったんですね。ソーシャルレンディングに関しては、海外のビジネススキームそのままでは日本でサービス出来ません。出資法とか貸金業法の関係で日本ではできないんですが、ソフトバンクさんが最近ですとシンガポールでSDIとして、プロスパーを買収してやられてたりしますよね。

  • 簡単に言いますと、30〜40万円で自分ちの門扉を直したいだけどという、ちっちゃなローンのニーズに対して、どうしても日本の場合は金融機関を通して住宅ローンの形で審査してもらうことになりますんで、たくさん書かされて、かつあなたの与信がどうのこうのと言われて、何週間かかかって、はがき1枚のお断りでやられてしまう、そういう問題があったんですけど。

  • こうしたプロスパーみたいなソーシャルレンディングを使いますと、僕は1万円貸すよと。あなたのこれまでの取引の評価を見ていくと、どうやったって信用するしかないので僕は5万円貸すよと。僕も5万円貸すけど僕は金利いくらでいいよといったような形で、借りたい人が借りたい額を上回る額だけの貸したい人が集まってくる時代がやってくると。そうすると借り手が貸し手を選ぶことになりますし、あなたから借りてあげるよという形で対等な立場なのか、借り手が有利なのか結構分からなくなってくるんですよね。

  • もちろん借りた人は返し終わりますと、また与信を伴って次の人に貸すことができるようになるんですけれども、こういった仕組み。非常にWeb2.0的ですし、この借りる人を決める貸す人を決めるという作業自体が民主的と言えると思います。これまでの金融機関がピラミッド構造で言えばヒエラルキーの一番頂点に立っていて、その人が誰々さんの価値はいくらまでであるといったようなことを与信認定していた時代からですね、民たちの集合知によって決められる時代が来たと。

  • こちらは日仏で共同実験をやったときに、MITさんと一緒に研究しているもので、MITさんがこういったシェアアプリを作ってくれてSNSの影響力っていうものを測ったんですけども。例えばエリックさんっていう人が最初に投稿したところ、誰も「いいね!」してくれないんだけど、それをひとたびマリリンさんがシェアすると一気に「いいね!」がついて、実際その場所に行くっていうチェックイン数が伸びるということが分かってくると。こういうのが分かってきますとSNSにおけるインフルエンサー力がついてきます。

  • これは高校生が逆にフランスに行ったときの生活行動ログをすべてとったグラフですけど、拡大しますと、左上にいる、うえき君というのが高校野球部のキャプテンで、かなりモテる子なんですね。みなみさんと、かなえさんという子は、うえき君が何かSNSで発信しますと、すぐに行動に実空間行動に移してくれる。インフルエンサー力としては、うえき君は、かなり高いものを持っているんですけども、いかんせん発信ができないと。発信は主にまみさんからのコンテンツを中継する形で行われていると。

  • 私たちが2020年のインバウンドなどを考えますと、いかに海外におけるまみさんの存在を突き止めるか。その人が日本では、まみさんっていうのはフードコンテンツカテゴリーのオピニオンリーダーであったんです。これは分かっていたんですけども、海外に行きますと情報閉鎖空間の中では誰と会おうとか、どこに行こうかとか、意思決定する権限を有するインフルエンサーとして君臨してきたと。

  • Aさんに、影響を与える人は誰なのか、よく言われていますけれども、単にフードコンテンツカテゴリーだってことを分かっていればいいだけではなくて、フードコンテンツにまみさんが強いと思っているのは、先ほどで言えば、みなみさんとかなえさんだけかもしれませんと。どうしてもまみさんのフードコンテンツは信じられないと、でも一方でファッションコンテンツに関しては一目置いているという人もいると思うんです。

  • これをディープラーニングを使って、多次元尺度で解析していきますと、誰々さんはどこどこのカテゴリーの層に対しては、なんのコンテンツのオピニオンリーダーだということがとれてきますので、この辺りのマッチングを行っていけばおもしろいねと。広告会社としてはこれからの情報のバイラルコミュニケーションをどうやって誘発するかの中で、どの文脈で誰がどこに強いのかを意識したうえで、事前にですね、メディアの中でもマス媒体から一方方向で落とすのは無理ですから、無理というか、なかなか思いどおりの実空間行動の誘発が起きませんので、そうではないバイラル誘発の形でつないでいくためには、事前にその人を取り囲んでいる人間関係を可視化しておくことだろうということで調査しています。

  • ブロックチェーンですね。似たような動きがあるなというのがインフルエンサー層の中では権威に属さないという人たちこそ、ちやほやされてきていると。同じくこれは、以前CIAにフェイスブックとかツイッターがアカウントの情報を公開していたということで、彼らの信頼が傷ついた事件がありましたけど、そういうのを受けて、分散型のネットワークを使ってSNSを管理しましょうという動きで、日本でも伸びていますよね。管理者がいないということがよいとされてくる時代認識になってきていると。

  • こちらも左側だけがプロが撮った1枚20万円の商材写真ですけれども、真ん中と右は素人が撮った写真。でも、いかにSNSで跳ねさせるかっていう意味で言うと、素人側の写真のほうが1万倍跳ねるということが分かっているということで、われわれが意識しなきゃいけないのは、どこなんだろうかと。

  • これまでの20世紀型のプロといわれている写真家さんではなくて、名の知れないインフルエンサーがですね、自分のファンを築きつつあって、そういう人たちが素人なんだけども情報発信力を持ち始めていると。こちらも最近話題になっているVALUというサービスですけども、個人が株式を発行するサービスですね。

  • 基本、ICOといって、自分株式を公開するときにビットコインなどのブロックチェーンベースのマネーを使うわけですけども、この動きっていうのはなぜ、はやってるのか考えていきますと、やっぱりインターネット化する現実世界というのを正しく見ていかないと理解できなくなっちゃうなと思っています。

  • ブロックチェーン技術、これがウィキの情報のままですけど、分散化した合意形成ネットワークによる抗改ざん性を特徴とするデータ記録の仕組み。平たく言いますと、取引の信頼性を第三者の目をあまた介在させることで担保する仕組みになります。

  • 経産省が出している解説の図、これは結構有名なんですけど、左側が既存のサーバーが真ん中にあってという中央集権型。対して分散型といわれているのがブロックチェーン。大きく分散型は2つに分かれてまして、一つがパブリック型ですね、ビットコインがパブリック型になります、みんなが参加出来る。それと違うのがプライベート型。

  • プライベート型はさらに2つに分かれまして、参加者を一つの組織に限った、一つの組織に限って管理者を立てている完全プライベート型と、複数認識にまたぐ、もしくは会社がコンソーシアムのような形で、有志を募ってやっているようなコンソーシアム型になります。どちらがいいってわけでもないんですけど、パブリック型になりますと完全なフラットな関係ですので、誰々さんの意向で仕組みを変えますなんてことができません。51%の意思決定が必要になってくる。51%が合意しなきゃ意思決定ができないということになります。

  • 一方で、プライベート型ブロックチェーンというのは参加者を限定、すぐにできます。管理者を引き続き置いておくことができますので、何に使われているかって主に金融機関がやっている、フィンテック...まず金融機関は自分たちの権限、譲りたくありませんので、プライベート型のブロックチェーンになっていきます。

  • 先ほどからずっと言っています合意形成というのは、ブロックチェーン用語ではマイニングと呼んでいます。次にデータベース、ここのデータベースに誰が何を書き込むのというところを合意形成する仕組みになります。これをアルゴリズム上で管理者を介在させずにですね、自動的に自立的に回るようにする仕組みとして作ったのがブロックチェーンということになります。インフルエンサーがどんどん乱立してきますと、怪しい情報も発信されるようになってきたと。蜂蜜が乳児によいとか、○○というレストランに行くとアレルギーになるとか、こんなん、よく言われていた。

  • 一方で、インフルエンサーばっかりじゃなくて、既存の権威も怪しくなってきたという。これは食べ比べセットで、滋賀県の近江米と魚沼産コシヒカリとオリジナルブレンド米、すべてに中国米が半分以上入っていたという問題で。JAだったから信じてたって人たちの間でも信頼が揺らいだ事件があったり。それから産地偽装は普通に行われていますが、左下の刻みのりは記憶に新しいと思います。これは、名古屋の給食センターが親子丼の上かなんかに振りかけたやつですよね。

  • 食中毒が起きちゃったんですけど、なぜ防げなかったんだろうと考えると2つ防げたポイントがあった気がします。一つは刻み業者です。加工業者が手袋をしているかどうか分かっていればよかったし、もう一つは給食センターのマニュアルに一定量きたら、一定時間あぶるという火にかけるという処理がありますけど、そこも正しくですね、ガスが消費されていたのか?みたいなことが、入荷の、のりの量によってIoT化されていれば防げたかもしれない。そういったプロセスをどこまで可視化するかによって対価払えるお客さんがいるんであれば防げた事故なのかなと思っていたりします。

  • おさらいしますと権威者による一方的な与信を信じたかった時代から、web2.0が変えたのは、現実世界に関しても民の集合知に基づいて価値を見極めたいという人たちを生んだということですね。雑誌の仰々しい書評とか、グルメガイドとかを信じるよりは、自分がこれから例えばプロポーズするんだったら、プロポーズ用のお店は星の中についているレビューを見て決めるとか、Amazonの総合評価もよく見られてると思いますけれども、こういう時代がやってきた。

  • 一方で今回農業ですけど、生産者にもペインがありまして、一番大きいのは、もうからないということです。もうかる順番に書かれていますけど、ミニトマトをハウスで作ればもうかります。ただ、大根、にんじんを露地で土の上で栽培すると、もうかりませんということですね。それから平均時給っていう意味で、時給1000円から1500円が今の日本の生産者になってきます。

  • これは週休2日で1日8時間労働しますと年収でいうと1人当たり250万円になります。ただ、ここで条件があって、それは慣行栽培といわれている農薬使った農業に関してです。有機農業になりますと167万円になってしまいます。パートを雇わないことを決めますと、ようやく一般の慣行栽培に追いついて250万円になってくると。生産コスト下げるか、もしくはってことで、綾町に関してわれわれと一緒に販売価値を上げていこうと、価値を分かってくれる人だけに売ればいいんだというふうに変えました。

  • 20世紀型の価値評価基準というのは、今、有機JASがあったわけですね。米国だとUSDA認証ってのがありましたけども、これでは綾町がやっている堆肥を動物性の牛のし尿を発酵させたような堆肥ではなくてですね、わらをわざわざ自然発酵させるような、わらすらも...堆肥すらも植物性としてこだわっている。

  • そうするとアレルギーの状況が変わってくるわけですけども、ここまででやっても有機JASとるっていう目標があると、動物性堆肥使っても植物性堆肥を使っても一緒ですから、ゴールを目指してしまうと、なかなか哲学をもって農業をやられている方々が救われないということで、ブロックチェーンというものは消費者のペインと生産者のペインを合わせるんだと。われわれはそれをIoVBと名付けたんですけど、これはインタネーット オブ バリュー バイ ブロックチェーンの略でして。

  • バリューっていうのは何かというと、僕はどうしても植物性堆肥の野菜を食べたいんだ!と言ってる消費者に対して、植物性で農業をやっていくことに誇りを持っているんだと言っている...その手間ひまを惜しまない農家さん、この価値と価値のマッチングこそがですね、先ほどのソーシャルレンディングじゃないですけどもブロックチェーンによって民主的にできる地盤の中では可能だったんだろうなと。Web2.0世代、いわゆるSNS世代というはフラットでオープンな価値評価基準というのをお持ちですので、そこにかなう社会システムというものを同じ思想の元で技術発展を遂げているブロックチェーン使ってやっていこうとなっています。

  • イノラボの場合はすごくスピードが速いことが結構、得意なんですけど。おもしろそうだなと思ったのは最近ですね。昨年の9月に東京で行われたセミナーでエストニアの電子行政の話を聞きまして、おもしろいぞと現地に次の週に行ってみたらですね、向こうの日経新聞みたいな新聞に、いきなりGuardtimeという現地でNTTデータさんみたいな大手のITベンダーがハッシュの復号キーですね、ブロックチェーンの復号キーを毎日、出している、これはすごいなと思ったんですよね。ここまでブロックチェーンが行政まで及んでいる、信頼を築いているのはさすがだなと思って。

  • これを発行しているGuardtimeと一緒にやりましょうという話をして、次の週に綾町にまた一緒にやりましょうということが決まって、それまで綾町で売られてた野菜のラベルはこんな感じで、綾町で作ったら大体、条例に従ってますから、この「丸金」ってつくから、私、「丸金」っていうブランドかと思ったら、そうでもなくて、土に3年間無農薬で土の評価がAで、かつ野菜の作付けの履歴が無農薬、無化学肥料とかでAだった場合に初めて、綾町の「丸金」がつくんですね。なかなか伝わらないと。

  • そこで森ビルさんがやっているマスカット1房3500円で売れる市場を一緒に使わせてもらいたいということで、綾町との共同会見がおもしろそうとなった1か月後ですね、開かれた。その中でわれわれが一緒に入っていただいたパートナーが、ブロックチェーンを国内で作れるシビラさんというベンダーさんと、生産履歴をスマホで見たいんですけどもアプリを入れてほしくなかったんで、アプリを入れずにかざすだけで見られるNFC技術をお持ちだった右上のアクアビットさんという会社。

  • これからSNSの時代ですから、どのようにお友達を作っていくかの中でNPO、美しい村連合さんと、それから美容健康をひたすら気を遣ってるコミュニティー、それを運営されている代官山サラダさんにご協力いただいて、彼らのお持ちのインフルエンサーさんを使って、SNS上でのコミュニケーション、ソーシャルコミュニケーションイニシアチブというものを立ち上げまして、やってきたと。

  • (映像を見ています)インスタ映えする動画を作ったり...。これは住友ベークライトさんにお伺いして、綾町は遠いので九州から東京に運んでも劣化しない、葉物が劣化しないフィルムというのを使わせてもらってやりました。

  • 実際に取り組みとしてはこれは3月末時点で、この7社でやりましたよということですね。私たちとNPOさん、綾町を筆頭に大阪のブロックチェーンベンダーであるシビラさん。エストニアのブロックチェーンをやられているGuardtimeさん、それから代官山サラダさんと住友ベークライトさん、フィルムですね。それからマルシェをお持ちの森ビルさん。NFC技術をお持ちのアクアビットさん。

  • 私たちオープンイノベーションラボって、ずっとパートナー、社外のパートナーと組まないと案件がスタートしないというそういう組織なんですけど、まずはこの7社と一緒にマルシェをやったということです。本日、ぜひ、ほかの方々とも一緒にやれたらなと思っています。

  • ラベルがこんなことではよくないねということで共通ラベルを作って。ちょっと白抜きしちゃってますけど、下のほうにですね、QRコードとNFCのマークがあって。工夫したのは個別の包装ごとにブロックチェーンに書き込んで、生産履歴を書き込んでいます。

  • 最終的な生産履歴には、アプリ開くとこんなものが見れるんですけども、何をインパクトにしたか...インパクトを重視してやったかというと、荷姿ですね。こん包された最終的な荷姿をブロックチェーンの最終的な声に入れてあります。そうすることによって葉物はちょっと分かりにくいですけども、しょうがとか、にんじんとか、大根とか、形が明らかに違っていれば、誰かが偽物と入れ替えたと分かりますので、本物であることを正しく証明するための手段にもなり、かつ改ざんすると、改ざんしない、100%しないというのはできないんですけど、した履歴が見えてくると誰がしたんだというところまで追っかけることができますので、土の履歴とか、農薬とか化学肥料とか、土のですね、誰がオーナーかというのが見えてくるし、当初の画面設計はこんなんでしたけども、それを変えて絵日記を最終日からさかのぼれるような形にしました。

  • 各一人一人がですね、農家さんが、きょうは100株の、かぶを植えたいんだけどってなると100ウォレット発行してくれるのが綾町役場。そこにコインを1コインしか設定させてませんので、ウォレット1に対してコイン1、そのコインにはどんどん履歴が格納されていって、最終出荷のときの検査を綾町の職員がまた行うというような権限設定でやっています。

  • 冒頭、お話しましたプライベート型チェーンとパブリック型チェーン、両方ともよい面も悪い面もありましたので、今回は綾町の町長を管理者とする綾町が管理者になっているプライベート型のチェーンに履歴が全部、格納しつつも、そのパブリック型に劣後するポイントを公証性を補うためにエストニアのブロックチェーンをパブリック型にしまして、こちらは権利者、誰もいませんのでハッシュという関数の演算結果だけを格納することにしました。

  • これによってプライベート型でスループットは確保しつつ、処理速度は確保しつつ、公証性に関してはパブリック型との連携で確保したということになります。これも今回の実験でたぶん世界初だと思っています。日本では初めてですね。

  • 結構、このラベルに荷姿を登録するとか...。最初、不慣れな農家さんいましたけど、今は普通になってきまして、それからICカードで直接、入力画面を権限別に増やしていますので、なりすましができないようにしています。それからソーシャルコミュニケーションイニシアチブ、そのものも結構発展していまして、綾町野菜の好きなファンコミュニティーができてきたり、有志の方々がいかに綾町が優れているかを広めてくれるようなチラシを作ってくれたりしていて、今から、おもしろくなってくるぞという予感がしています。

  • 今回、野菜だけでしたけれど、われわれが伝えたいのは、フードトレーサビリティというのを野菜以外にも広げていきたいと思っています。日本の水産物なんて本当ひどい状況で、オフィシャルな中卸業者が扱っている量の5倍が実際に外食に出回っているという、どこ産なんだろうっていうのが分からないですよね。でも出回っているというような状況だったりしますので、フードトレーサビリティというのをいかに正しいものとして権威者のお墨付きがない状態で信頼醸成していくかが大事かなと思っています。

  • そのためにはみんなが綾町みたいに頑張れませんので、IoTのセンサーを配置しまして、直接人の手を介さずにですね、デバイスが直接、ブロックチェーンに書き込むと。ブロックチェーンの弱点というか、欠点というのはスループット弱いです。ビットコインに関しては1コミットするたびに10分かかるような仕組みになってます。これは必ずかかるんですけども、であればそのスピードを速めるためにプライベート化をする必要がある。

  • プライベートなブロックチェーンに関してもビットコイン型でやっている場合には、頑張っても4000倍くらいしか出ません。ですのでその4000倍をいかにもうちょっと速くしていくかっていうところで技術改善が必要でしょうけれども、そこは今回の実験では大阪とエストニアっていうブロックチェーンの拠点を2つに分けたということで、複数ブロックチェーンが同時に処理速度を維持できたということは、これは翻って理屈上は無限大のデータ量でもブロックチェーンに書き込めるはずになりますので、この辺を試していきたいなと思っているところと、それから書き込まれたタイミングで人工知能が走れば、もっと処理がですね、簡単になるはずです。

  • アクチュエータまで連携させていけたらもっといいなと思っていまして、一定の温度を超えたから水門を開けようとか、綾町の場合は病害虫が出たときに殺すことが出来ない、町の条例もあって出来ないので、とうがらしをまいたりして頑張っておっぱらったりしていますけど。そういうことをどこまでドローンで出来るかとか、こうしたことを試していくのもありかなと思っていまして。

  • 新しい技術と、それからこれまでの20世紀型の業界構造、ここにたぶんギャップが相当あって、まだまだ日本がリードできるんじゃないかと思っていますので、1次産業にかかわらず、2次産業、工芸品とかですね、何回塗ったの?みたいな輪島塗みたいな世界もちゃんとプロセスを可視化してあげることで、正しい価値が偽物と違って描けると思いますのでこの辺をやっていきたいなと思っています。ぜひ、よろしくお願いします。ありがとうございました。